コロナ禍の下においては、大学の授業はオンライン化が進みました。当初はとにかく授業が成立することを最優先とし、質は二の次であったと言えますが、すでに2年以上の経験を重ね、教育の質という点からオンライン授業の見直しがなされている段階に至っています。コロナ禍がある程度落ち着くことでキャンパスに学生が戻ってくる状況であったとしても、単純に旧来の教室での対面授業に戻すのではなく、この2年間のオンライン授業での経験を活かした新しい取り組みがどの大学でもなされているはずですし、また多くの教員もこの経験を無駄にせず、これからも活かしていきたいと考えているでしょう。とはいうものの、多くの大学でまだ手探りの状況が続いているものと思われます。
今回講師としてお招きする森田裕介先生には、2019年度第2回アカデミック・リンク/ALPSセミナーにご登壇いただき、早稲田大学でのご経験を踏まえ、教育のICT化がどのような成果をもたらすのかをお話しいただきました。今回のセミナーはそのアップデートとして、森田先生ご自身が調査に参加された、大学基準協会大学評価研究所による「効果的オンライン教育のあり方と評価基準・視点に関する調査研究」の結果を踏まえて、日本の国公私立約450大学がどのような授業を行っていたのか、どのような課題を抱え、どのような環境整備を行ったのかを説明いただきます。また、授業がハイブリッド化されている状況を踏まえた早稲田大学大学総合研究センターの取り組みについて、また、新しい授業の形態に対応した教室の改修といった具体的な事例などについてもご紹介いただきます。これらを踏まえ、参加される皆さんとともに、これからのICTを活用した効果的な大学教育の在り方について考えてみたいと思います。
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