論文掲載料(APC : Article Processing Charge)とは、学術雑誌に掲載する論文をオープンアクセス(OA)として出版するために必要な費用です。ここでは、千葉大学に所属する方に向けてAPCに関する情報を案内します。
論文をOAにしてネット上で誰でも無料で閲覧できるようにすることで、自身の研究を広めるだけでなく研究成果を社会に還元することにも繋がります。OA化の様々な方法については、研究成果をネットで公開する(オープン化)もご覧ください。
目次
対象出版社(アルファベット順)
電子ジャーナル転換契約による論文掲載料(APC)の支援について
電子ジャーナル転換契約について
電子ジャーナルの購読費用とAPCを一体で契約することで、ジャーナルの購読費用を論文出版費用に転換させ、OA出版を拡大しながら大学全体の支出を抑制し、大学の研究成果を広く公開することを目指します。
転換契約のOA出版枠を利用して論文を出版する場合、「千葉大学オープンアクセス推進に係る研究論文掲載費用支援制度実施要領」(要:学内LANからアクセス)により、論文1本毎に著者から正規APCよりも低額なOA推進分担金を拠出いただきます。拠出いただいたOA推進分担金は転換契約継続の経費として還元されます。
OA推進分担金の金額について学内限定の案内(千葉大学GoogleWorkspaceアカウントでログイン/学内LANからアクセス)をご確認ください。
OA出版された論文本数を図書館が取りまとめ、年数回の頻度で著者の所属部局にOA推進分担金の振替を依頼します。
本制度の対象となる論文は、
1)責任著者が千葉大学構成員であり、
2)責任著者の所属部局を通して研究費等からOA推進分担金を振り替えることが可能である
ことが条件となります。
1)については、論文に記載されている責任著者の所属機関が千葉大学であることが必要です。
*本制度ではOA出版にかかる論文掲載料であるAPCを対象としており、カラーチャージや別刷等、論文出版にかかるその他の費用については別途、著者による支払が必要です。
対象出版社
- Elsevier(2024/4/1~継続中)
- Royal Society of Chemistry(2024/1/1~継続中)
- Springer Nature(2024/1/1~継続中)
*Rockefeller University Pressを対象とした支援は2024/12/31を以って終了しました。
Elsevier
対象誌
ハイブリッドジャーナル(一部対象外のものあり)
対象タイトルリストは学内限定の案内(千葉大学GoogleWorkspaceアカウントでログイン/学内LANからアクセス)からご確認いただけます。
*対象誌ではないハイブリッドジャーナル、及びフルOAジャーナルについては、一定のAPC割引が適用されます。
詳細は「APCの割引」の項目をご確認ください。
対象論文
- 本学構成員が責任著者(Corresponding Author)であり、2024年4月1日~2027年3月31日(協定世界時)にアクセプトされた論文
- 対象論文タイプ: Case Report、Data in Brief、Full-length Article、Microarticle、Original Software Publication、Practice Guidelines、Protocol、Review Article,、Replication Study、Short Communication、 Short Survey、Video Article
*論文1本毎にOA推進分担金の拠出が必要です。
OA推進分担金の金額、及び本学でOAにできる論文数は学内限定の案内(千葉大学GoogleWorkspaceアカウントでログイン/学内LANからアクセス)からご確認いただけます。
転換契約によるOA化の流れ
詳細は学内限定の案内(千葉大学GoogleWorkspaceアカウントでログイン/学内LANからアクセス)から出版社が提供しているマニュアルをご確認ください。
- 論文投稿
- アクセプト
・論文受理の通知メールを確認
・出版社システム上で所属機関の確認
- 対象論文の識別
・出版社システム上でGold Open Accessを選択した際に、対象であれば転換契約に基づきAPCが全額カバーされることが表示される
*転換契約によるOA化対象外のジャーナルで場合、もしくは本学のOA化可能本数条件を超過している場合、Gold Open Accessを選択するとAPC割引後の金額が表示される
- 出版
・出版社から通知される出版合意書を確認
・出版通知メールを受領
- 図書館での承認
・出版社から通知される情報を基に、図書館で責任著者が本学構成員であることを確認し、OA化を承認
・年数回の頻度で、図書館から著者所属部局にOA推進分担金の振替を依頼(参考:Q&A)
APCの割引
転換契約によるOA化対象外のハイブリッドジャーナル及び、フルOAジャーナルは、APCについて一定の割引が適用されます。
割引を適用するためには転換契約によるOA化と同様、図書館での承認が必要です。
割引適用を図書館で承認した後、著者が指定した宛先に請求書が送付されますので、ご自身での支払い手続きをお願いします。
転換契約によるOA化対象外であり、APC割引が適用された論文については、OA推進分担金の拠出は不要です。
適用される割引率については、学内限定の案内(千葉大学GoogleWorkspaceアカウントでログイン/学内LANからアクセス)からご確認いただけます。
Royal Society of Chemistry
対象誌
Royal Society of Chemistryが刊行するハイブリッドOA誌
※フルゴールドOA誌は対象となりませんのでご注意ください。
対象論文
本学所属者が責任著者(Corresponding Author)であり、2024/1/1~2026/12/31(グリニッジ標準時)にアクセプトされた論文
*本学でOA化できる論文本数を超過した場合、OAにするためには正規APCから15%割引された金額の支払が必要です。この割引を利用してOAにされた論文についてはOA推進分担金は不要です。
OA推進分担金の金額、及び本学でOAにできる論文数は学内限定の案内(千葉大学GoogleWorkspaceアカウントでログイン/学内LANからアクセス)からご確認いただけます。
転換契約によるOA化の流れ
詳細についてはRoyal Society of Chemistyの案内もご確認ください。
- 論文投稿
・投稿時の所属機関等の情報を登録
・対象論文識別のため、原則として千葉大学対象ドメインのメールアドレス(千葉大学GoogleWorkspaceアカウントでログイン/学内LANからアクセス)で投稿
*本学構成員であっても、対象ドメイン以外のメールアドレスを利用して投稿された場合はAPC支援の対象外となる場合がありますのでご注意ください。
- アクセプト
・出版社から通知されるlicensing systemの案内メールを確認
- 出版手続き
・licensing systemにPublish & Readモデル契約の案内が表示されることを確認
・licensing system上でOA出版の可否を選択
*OAを選択した際に、転換契約対象外の論文は正規APC、本学でOA化できる論文本数の残枠が0の場合は正規APCから15%割引された金額の支払を求められる
- 出版
・出版社からの図書館宛の通知及び著者の申告に基づき、年数回の頻度で、図書館から著者所属部局にOA推進分担金の振替を依頼(参考:Q&A)
・3月に本制度により論文をOAにされた場合は、年度末会計処理のため問い合わせ先記載のメールアドレス宛に対象論文の情報をお知らせください
Springer Nature
対象誌
- Springer Journals、Adis Journals、Palgrave Macmillan、Academic journals on nature.com のハイブリッドジャーナル約2000誌
*Nature及びNature関連誌、フルオープンアクセスジャーナルは原則対象外
- 転換契約OA出版ジャーナルのタイトルリストから対象タイトル一覧をご確認いただけます。
*転換契約の契約期間の途中で出版モデルに変更があった場合、フルオープンアクセスジャーナルであっても対象誌に含まれる場合があります。
対象論文
- 本学構成員が責任著者(Corresponding Author)であり、2024/1/1~2026/12/31(協定世界時)にOA出版が承認された論文
- 対象の論文タイプは以下4種類
- Original Paper(原著論文)
- Review Paper(レビュー論文)
- Brief Communication(ブリーフコミュニケーション)
- Continuing Education(継続教育)
*論文1本毎にOA推進分担金の拠出が必要です。
*SpringerNatureのシステムでは、対象論文として識別された場合、転換契約によるOA化の承認申請を送信する以外の選択肢は表示されません。何らかの事情によりOAを希望されない場合は、承認申請を送信する前に、お問い合わせ先にメールで該当の論文名をご連絡ください。
*本学でOA化できる論文本数の上限を超過した場合、論文をOAにするためには従前通り正規価格でのAPC支払手続きが必要です。
OA推進分担金の金額、及び本学でOAにできる論文数は学内限定の案内(千葉大学GoogleWorkspaceアカウントでログイン/学内LANからアクセス)からご確認いただけます。
転換契約によるOA化の流れ
詳細については、SpringerNatureによる案内ページから、「著者向けガイド詳細版」をご確認ください。
- 論文投稿
・著者が所属機関を登録
*対象論文識別のため、所属機関の登録のほか、原則として千葉大学ドメインのメールアドレスで投稿してください。対象ドメインについては学内限定の案内(千葉大学GoogleWorkspaceアカウントでログイン/学内LANからアクセス)に掲載しています。
- アクセプト
・論文受理の通知メールを確認
・出版社システム上で所属機関を確認
*論文投稿時に登録した所属機関が正しく識別されているか確認する。間違いや、論文投稿時から変更があった場合は所属機関を選択し直す。
- 対象論文の識別
・対象論文の場合、出版社システム上で転換契約によるOAの案内が表示される
・案内を確認し、承認申請を送信する
*SpringerNatureのシステムでは、対象論文として識別された場合、転換契約によるOA化の承認申請を送信する以外の選択肢は表示されません。何らかの事情によりOAを希望されない場合は、承認申請を送信する前に、お問い合わせ先にメールで該当の論文名をご連絡ください。
*転換契約対象外の論文、もしくは本学でOA化できる論文本数の上限を超過している場合は、正規APCを支払ってOAにするか購読モデルで出版するかを選択する画面が表示されます
- 図書館での承認
・出版社から通知される情報を基に、図書館で著者が本学構成員であることを確認し、OA化を承認
・年数回の頻度で、図書館から著者所属部局にOA推進分担金の振替を依頼(参考:Q&A)
- 出版
・出版社から通知される出版合意書を確認して署名
・OAでの出版通知メールを受領
論文掲載料(APC)の割引について
本学の電子ジャーナル契約等によりAPCの割引が適用される出版社の情報を案内します。
American Chemical Society
本学がAmerican Chemical Societyの電子ジャーナルパッケージを購読していることにより、APCについて購読機関向け割引が適用されます。
対象誌
American Chemical Societyが刊行するハイブリッドOA誌
対象論文
本学所属者が責任著者(Corresponding Author)である論文
割引額
割引額は出版社のOpen Access Pricingの案内をご確認ください。
Hybrid journalsについて、購読機関向け割引(ACSのAll Publications packageを購読している機関に所属する著者向けの割引)が適用されます。
ACS会員の方は会員向け割引との併用も可能です。
OA出版の手順
出版社のPublish Open Access with ACSをご確認ください。
Microbiology Society
ユサコ株式会社より、APCが10%割引になるOA出版費用割引プロモーションコードが配布されています(有効期限:2027年6月まで)。
どなたでも利用可能ですのでユサコ株式会社の案内を参照の上、ご利用ください。
National Academy of Sciences / PNAS
本学がPNASを購読していることにより、APCについて購読機関向け割引が適用されます。
対象誌
PNAS:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
対象論文
本学所属者が責任著者(Corresponding Author)である論文(Regular research articles)
割引額・OA出版の手順
割引額等の詳細は出版社のPublication Chargeについての案内をご確認ください。
PNASの掲載論文は掲載後6カ月経つとOAになりますが、APCを支払うことで即時OAとすることができます。
この即時OAに必要なAPCについて、購読機関(institutions with current-year site licenses)向けの割引が適用されます。
電子ジャーナル転換契約及びAPC割引に関するQ&A
これまでにいただいたご質問と回答を掲載します(2024.12.27更新)。
電子ジャーナル転換契約の対象論文
- 電子ジャーナル転換契約開始前に雑誌に掲載された論文であっても、オープンアクセスにできますか?
→転換契約開始前に雑誌に掲載された論文は、転換契約による支援の対象外です。
ただし、この方法とは別に、千葉大学学術成果リポジトリCURATORから無料でオープンアクセスにすることが可能です。
CURATORにログインして、「コンテンツの登録」より、論文PDFと論文情報(DOIやPMIDがあれば流用入力が可)をご登録ください。
登録データは図書館で確認した上で公開します。なお、公開条件(著作権処理等)の確認にあたり、適宜図書館から登録者ご本人にご連絡する場合もあります。
参考:研究成果をネットで公開する(オープン化)
- 大学院生(学部学生)が責任著者になっている論文は電子ジャーナル転換契約によるOA化の対象ですか?
→各出版社の条件を満たす論文であり、所属部局からOA推進分担金の拠出が可能であれば、本制度の対象です。責任著者が学生の場合、該当の論文を確認した時点で、附属図書館から責任著者宛にOA推進分担金の拠出について確認を依頼するメールをお送りします。
- 名誉教授やグランドフェローが責任著者になっている論文は電子ジャーナル転換契約によるOA化の対象ですか?
→各出版社の条件を満たす論文であり、称号の付与や委嘱をされた部局からOA推進分担金の拠出が可能である場合は、名誉教授やグランドフェローの方も本制度の対象です。本学の職員録でお名前を確認できない方については、別途、名誉教授の称号記やグランドフェローの委嘱状を提示いただくことで本学構成員であることの確認を行います。なお、論文に記載されているご所属が千葉大学以外の機関となっている場合は、本制度をご利用いただけませんのでご了承ください。
OA推進分担金の拠出
- OA推進分担金はいつ、どのように拠出すれば良いですか?
→年数回の頻度で附属図書館担当者が著者の所属部局に対象の論文リストを送付し、各部局内で振替手続きを行います。論文出版時に特段の手続きは必要ありません。OA推進分担金の拠出に関して、附属図書館や各部局担当者から連絡があった場合はご対応をお願いします。なお、OA推進分担金の振替手続きは原則として論文のアクセプトされた年度と同じ年度内に行うものとします。
出版モデルの変更
- 電子ジャーナル転換契約の対象期間中に通常の購読モデルで論文を出版しましたが、後からOAに変更することはできますか?
→一度購読モデルで論文を出版しても、後からOAに変更することが可能な場合があります。
対象の出版社によって変更の条件が異なるため、お問い合わせ先まで出版モデル変更を希望する論文名をご連絡ください。
- 電子ジャーナル転換契約を利用して論文をOAで出版しましたが、後から購読モデルに変更することは可能ですか?
→一度OAで出版した論文は、原則として購読モデルに変更することはできません。ただし、出版直後であれば出版社により購読モデルへの変更が認められる場合があります。対象の出版社によって変更の条件が異なるため、お問い合わせ先まで出版モデル変更を希望する論文名をご連絡ください。
SpringerNatureの出版手続き
- 論文のアクセプト後、出版手続きに進もうとするとOA以外選択できません。OAにせず購読モデルでの出版は可能ですか?
→転換契約対象の論文として識別されると、出版社システム上ではOA以外の選択肢は表示されないため、何らかの事情によりOA化を希望されない場合は、出版社システム上で手続きを進める前にお問い合わせ先にメールで該当の論文名をご連絡ください。
財務会計システムを利用したAPC支出額の調査について
2021年7月より、本学のAPC支払状況を把握するため、財務会計システムを利用した調査を行っています。
論文投稿料の財務会計システムへの入力の継続について(依頼)をご確認いただき、APCを支払う際はご協力をお願いします(閲覧には千葉大学Google Workspaceアカウントへのログインが必要です)。
お問い合わせ
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附属図書館 雑誌担当
Tel: 043-290-2253
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