2022年度第3回アカデミック・リンク/ALPSセミナーは、「コロナ禍後の外国人留学生の円滑な受け入れとは~学修歴評価および入学資格判定の側面から」という題目で、公益財団法人アジア学生文化協会理事長の白石勝己氏と、同国際教育支援事業部の菊地麻子氏をお招きし、開催いたしました。
白石氏より、まず、アフターコロナの留学生受入れについて説明がなされました。2022年現在は、過去2年間に入国できなかった日本留学希望者がまとまって入国してきているものの、今後、その数をどう維持するのか、日本語教育の多様化など様々な要因を鑑みながら考える必要があると述べられました。留学生の受入れにあたっては、そのレベルの教育を受けるための基礎的能力の基準となる、入学資格の判定・学修歴の認証が必要となり、日本では大学がその資格認証をおこないます。日本における大学入学資格としては、12年の課程を修了すればよい(課程年数主義)という法令があり、大学で修得した知識・技能は問わない状況が生じており、今後変えていくべきであろうとの指摘がされました。教育レベルの判断の基準としては文部科学省が定める「大学入学資格についての13項目」と、UNESCO による「ISCED」という国際教育標準分類があること、各国の大学の実質的な差異を比較検討するためのマニュアルとしてENIC-NARICが公開しているガイドがあることなどが紹介され、こうした枠組みを使って、資格認証の検討がなされていると説明されました。
続いて菊地氏より、日本への留学生の入学資格判定について説明されました。資格判定においては、学修歴を精査し、学校教育法に則って判定することが基本かつ肝要であるものの、法令に記されている限りでは捉えきれない部分もあり、そこに判定の難しさがあることが、具体例を挙げながら説明されました。
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