『学び』を促す環境デザイン~はこだて未来大学の取り組みから~

『学び』を促す環境デザイン~はこだて未来大学の取り組みから~

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概要

2018年度第3回アカデミック・リンク・セミナー/ALPSセミナーでは、学習科学を専門とする公立はこだて未来大学教授の美馬のゆり氏をお招きし、「「学び」を促す環境デザイン~はこだて未来大学の取り組みから~」という題目にて、ご講演いただきました。

本セミナーでは、公立はこだて未来大学の、開学計画策定時(1996年)から現在に至る先進的かつ特徴ある同大学の理念と取組みについて、講演が行われました。同学は、教育・学習の基本コンセプトとして、学習理論の変化に即した新しい「学び」、すなわち、教員が学生へ一方的に「教える」のではなく、教員と学生が双方向的に「対話し学びあう」ことを主軸とする基本コンセプトを掲げています。その学習環境のデザイン・プリンシプルの中核は、開学以来「仕切りをなくすこと」であり、より具体的には、1)空間、2)科目、3)個人、4)言語・コミュニケーション、5)年齢又は学習スタイル、この5つのバリア(仕切り)を取り払うかたちで、その学習環境がデザインされてきました。

講演ではこうしたはこだて未来大学の教育・学習における理念やコンセプトについての説明に続いて、各種の授業設計や学習支援、FDの実践例についての報告がありました。これらの実践の底流にあるのは、常に「どのような学生を育てたいか」という思想や信念であり、同学では、こうした思想や信念にもとづいて、学生・教員・職員・地域の人々が「ともに学ぶ」学習環境が構築されています。また美馬先生は「学びを促す」環境の構築には、1)ハードウェア(空間)、2)ソフトウェア(活動)、3)マインドウェアの3要素が重要ではあるが、「ソフトウェア」や「マインドウェア」があれば、学生の学びを促す環境デザインは可能である、と強調されました。最後に、はこだて未来大学の「FUNマインド」、すなわち、『できないことをみつけて嘆くのではなく、できることをみつけて楽しむ』ことこそが重要であるという、教育・学習支援に携わる、教職員すべてに対しての、美馬先生からの励ましのメッセージをもって、本講演は締めくくられました。

アンケート結果

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