科研費報告書への研究データの記入について

科研費報告書への研究データの記入について

目次

はじめに

2025年度に提出する科研費の実施状況報告書や実績報告書において、「DMPに基づき生み出し公開した研究データ」の情報を報告することが求められています。
(参考)令和7(2025)年度の科学研究費助成事業(科研費)の変更点等について

研究データは研究分野の特性等に基づき、ご自身や共同研究者間で「公開」「共有」「非公開」の判断を行う必要がありますが、今回報告の対象となるのはすでに公開済みのデータとなります。

そのため、

この条件にあてはまる科研費の代表者の方は、科研費電子申請システムの研究発表入力画面で、「掲載論文の根拠データのDOI・URL」といった研究データに関する情報(=メタデータ)を入力することになります。

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このページでは、

  1. 報告の対象となるデータの定義
  2. 各入力項目の具体的な記入方法

について説明します。

報告の対象となるデータの定義

報告の対象となるデータは、以下の条件すべてにあてはまるものです。

  1. 論文を執筆するにあたって、ご自身もしくは研究グループ(※)で取得・生成したものであること
    ※ご自身の研究室(学生含む)や科研費の共同研究者など
  2. 研究データ本体もそのメタデータも公開している(=誰でも見られる状態にある)こと
  3. 論文とは別のWebサイトやプラットフォームで電子的に公開していること

たとえば、論文投稿時、「Data Availability Statement」といった項目に記載した研究データが該当します。

以下の例では、論文自体は「Geophysical Research Letters」というジャーナルのページに掲載されていますが、Data Availability Statementに記載されている研究データは、Zenodoという別のプラットフォームで公開されています。

Data Availability Statementに記載した研究データの例)https://doi.org/10.1029/2021GL096260
Open Researchという項目に、Data Abailability Statementの記載があり、Datasets for this research are found in Dataset S1 available online (from https://doi.org/10.5281/zenodo.5513718).と書いてある。

報告対象外のデータ

一方で、以下のようなものは報告の対象とはなりません

  1. 報告書作成時点で公開していないデータ
    →報告書作成時点で全世界に公開し、だれでも閲覧・ダウンロード等できるデータのみが報告対象です。そのため、ご自身のストレージに保存しているだけのデータや、共同研究者間で共有しているデータは報告対象外です
  2. 報告対象の論文そのものに含まれている図や表
    →「論文」として報告が必要ですが「根拠データ」として二重で報告する必要はないため、報告対象外です
  3. 他人が取得・生成したデータ
    (例:他人の出版物に含まれる図や表を根拠としている場合、一般公開されている統計データを根拠としている場合など)
    自身または研究グループで取得・生成していないため、報告対象外です
  4. 冊子体や紙媒体でのみで存在するデータ
    (例:紙で取得したアンケートなど)
    電子的に公開していないため、報告対象外です
  5. 論文を掲載しているWebページと同じページで公開しているデータ
    (例:電子ジャーナルのページ内で「Supplement」として公開しているファイルなど)
    論文とは別のWebサイト・プラットフォームで公開していないため、報告対象外です

各入力項目の具体的な記入方法

ここでは、各入力項目について具体的にどういったことを記入すればよいかを説明します。

前提として、当該研究データを公開しているWebサイトやプラットフォームに公開したときの情報を元に入力をします

併せて、日本学術振興会が公開している「別紙3 研究データの管理・利活用について」もご確認ください。

DOI、URL

DOIとは、「10.XXXXX/XXXXX」(例:10.5281/zenodo.5513718)で表されるIDのことです。
DOIの前に「https://doi.org/」をつけることで、当該研究データにアクセスできます(例:https://doi.org/10.5281/zenodo.5513718)。

当該研究データにDOIが付与されている場合は、DOIを記入し、なければURLを記入します。

DOIの場合
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URLの場合
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千葉大学機関リポジトリ(CURATOR)から公開しているデータの場合

selfDOI欄に記載されている値(「https://doi.org/10.20776/」から始まる値)を入力してください。

データの名称

公開したときの情報を元に転記します。なければ任意につけてください。

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データの説明

公開したときの情報を元に転記します。なければ任意に記載してください。

同分野の方に使ってほしい場合は同分野の方が読んでわかる内容に、民間企業などにも使ってほしい場合は一般の方が読んでもわかる内容にすることをお勧めします。

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データの分野

e-Radの研究分野からご自身の分野をプルダウンで選びます。

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データの種別

プルダウンで選択ができます。

基本は、「データセット dataset」を選択します。

より詳細な種別を入力したい場合は、JPCOARスキーマガイドライン資源タイプ別語彙集V2.0のDatasetの項に各選択肢の定義が記載されていますので、こちらを確認しながら選択してください。

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管理対象データの利活用・提供方針

公開したときに設定した条件を入力します。
もしも入力時点で条件を設定していなかった場合は、RDUF『研究データの公開・利用条件指定ガイドライン』を確認しながら、共同研究者等と話し合って決めてください。

おおよそ以下の3パターンになります。

パターン3の場合、自由記述には以下の内容を含めることが必要です。

  1. 有償/無償の別
  2. データの利用条件
    特に以下に該当する場合は必ず記載するようにしてください。
    1. データの利用に事前連絡を必要とする場合。
    2. 個人情報等によりデータの利用に制約がある場合。

画像の例は、パターン2の例です。
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リポジトリ情報

現在公開しているWebサイトやプラットフォームの名称などを入力します。

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千葉大学機関リポジトリ(CURATOR)から公開しているデータの場合

千葉大学リポジトリと入力してください。

データ管理情報

当該データの管理者の情報を入力します。

  1. データ管理機関
    当該データを管理している機関名を入力します。
  2. データ管理部署
    当該データを管理している機関の担当部署名、もしくは担当者名を入力します。
  3. データ管理部署の連絡先メールアドレス
    2.で入力した部署や担当者のメールアドレスを入力します。

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※入力したメールアドレスは、迷惑メール防止のためKAKENやCiNii Researchへの連携の際に@を自動変換した上で公開する等の対応を行う予定となっています。

参考資料

サービス別