研究室を選ぶ
このページでわかること
- 研究室(ゼミ)とはどのようなものか
- 研究室を決める前に考えておくべきこと
- 研究室を決めるための情報源や相談先
はじめに
どの研究室に所属するか(あるいはどの教員に研究指導をしてもらうか)という選択は、その後の大学院での研究の進め方や、どのように大学院生活を送るかということにまで影響する大切な選択です。その選択のためには、何について知っておくべきで、それについてどのように知ることができるのでしょうか。
みなさんの多くは、学部3、4年生の時点、あるいは大学院入試の際に、自分が今後どの研究室に所属したいか(あるいは、どの教員に研究指導をしてもらいたいか)を考える必要があります。
分野や教員によっても異なりますが、研究室では、教員や先輩とともに研究を進めつつ、学位論文や卒業研究を作成するための指導を受け、必要なスキルを身につけていくことになります。どの研究室に所属してどの先生から研究指導を受けるかは、研究の進め方についてはもちろん、大学院生活全般の送り方にも関わる大切な選択です。
研究室がどのような場であるかについて、近田政博編著(2018)『シリーズ 大学の教授法 5 研究指導』(玉川大学出版部、pp. 17–20)では、次のように説明されています。
学生は、「○○研究室」ないしは「○○ゼミ」と呼ばれる集団に属し、一定期間にわたって教員から研究指導を受けます。[……]
総じていえば、「ゼミ」は授業の一環としての演習や文献講読、もしくは演習室などの特定の場所で行われる集団指導のことを指すのに対し、「研究室」と呼ぶ場合には学生が研究をするための共同の居室空間、もしくはそこに所属する人々の組織を指します。[……]
研究指導のスタイルは、学問分野、集団規模、研究手法などによって大きく異なりますし、研究指導に携わる教員と学生の個性によっても変化します。そのなかでも、チーム研究型か個人研究型かによって、研究指導のあり方は大きく変わります。
チーム研究型は、実験系やフィールド系の自然科学分野によくみられる手法です。上級生が下級生を指導しながら共同研究する場合もあれば、同級生同士でチームを組んで、卒業論文に至るまで共同で作成する場合もあります。この場合、学生が取り組む研究テーマは、実験装置および予算による制約や、教員の研究テーマから影響を受けやすいという特徴があります。
個人研究型は、多くの人文・社会科学系にみられ、また自然科学系でも数学や理論系の研究などは該当する場合があります。[……]個人研究型では時間管理や進捗管理を個々の学生の自主性に委ねることが多いため、モチベーションの低下や健康上の問題に気づくのが遅れてしまう恐れがあります。
このように、どの研究室に所属するか、あるいは、どの教員から指導を受けるかによって、どのような研究テーマに取り組むか、どのような指導を受けるか、ということに違いが生じることになります。所属する研究室や指導教員が決まった後になって、そこでは自分が望む形での研究ができないと分かっても、その所属を変更することは容易ではありません。
希望する研究室を決める前に、
- 自分のしたい研究ができそうか
- その研究室の先生は実際に何を専門としていて、どのような指導をする先生なのか
- 研究室の環境や雰囲気はどうか
- 一日のスケジュールや一年間のスケジュールはどのようなものか
- これまでの卒業生・修了生は、どのような卒業研究、卒業論文・修士論文を作成しているか
- これまでの卒業生・修了生の、卒業・修了後の進路はどうなっているか
を、あらかじめ調べておきましょう。
その方法としては、
- 研究室のHPを探して調べる
- オープンラボのような、研究室を訪問できる機会を利用する
- その研究室の先生に連絡を取り、直接、またはメールなどで相談をする
- その研究室に所属する先輩や、その研究室についてよく知っている先輩から話を聞く
などが考えられます。
また、附属図書館本館N棟2階にある、学習相談デスクで、ALSA-LS(千葉大学の大学院生)に相談してみることもできます。
オンラインでも相談できます。