Certificate Program for Professional of Educational and Learning Support
履修証明プログラム
コース概要と実施報告:第4期生
1)高等教育政策と自校理解
目的
高等教育政策の動向とその背景にある社会変動を理解するとともに、教育・学修支援に関係する大学評価や質保証のあり方について、所属大学(あるいは特定の大学)の方針や各種取り組み状況を理解することで、今後の教育・学修支援のあり方を考え、具体的に改善に結び付けるための基礎的能力の修得を目的とする。また、対面授業では、事前課題に基づくワークショップを通じて、大学(あるいは特定の大学)の取組みと他大学の状況を比較し、現状と課題について、理解を深めることを目的とする。
到達目標
- 高等教育政策の制度・政策の現状、大学を取り巻く環境などについての基本的な理解を身に付ける。
- 学内のさまざまな取り組み状況を他校の状況と比較しながら現状を理解し、自校の今後の教育・学修支援の現状と課題を説明することができる。
修了要件
- eラーニング6時間、対面授業2時間(予定)をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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前田 早苗
千葉大学国際学術研究院 教授 我妻 鉄也
千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 |
eラーニング
2020年10月12日(月)~ 対面授業
2020年12月12日(土) |
「高等教育政策と自校理解」では、現在の高等教育政策の重要なテーマの中で個々の大学の大学教育のあり方に関連深いテーマを具体的に取り上げ、その内容が自分の大学ではどのように対応されているのか、どのように関係するのかを理解することを目的に構成しました。
eラーニングでは、1)高等教育・高等教育政策の基礎、2)高等教育政策の基本構造、3)高等教育政策をめぐる近年の動向、4)大学評価の歴史的経緯、5)大学評価の展開、6)質の保証と学習成果評価、7)質保証をめぐる近年の動向について、学習しました。また、所属大学における、内部質保証体制、教育改革や授業改善、学習成果の設定や検証を整理するワークシートに取り組みました。
オンライン対面授業では、所属大学の取組と他大学の状況を比較し、現状と課題について理解を深めることを目的としてワークシートに基づくグループワークが行われました。
2)カリキュラム理解
目的
大学における教育課程の構造・特徴について、各専門領域の基本原理を理解するとともに、各教育領域の現状と課題を把握する。また、教養教育や専門外の各種授業科目の意味や位置について、正課内・正課外の教育の関係も含めて理解する。対面授業では、事前課題に基づく、ワークショップを通じて、所属大学(あるいは特定の大学)における教養教育・共通教育をはじめとする教育課程に関して、その意味や特徴、状況について理解し、説明できることを目的とする。
到達目標
- 大学教育における教育課程の特徴、各専門領域の教育課程の特徴について説明することができる。
- 教養教育・共通教育など、専門教育以外の教育課程について、意味や特徴を理解し、自校の状況について説明することができる。
- 正課内・正課外の教育活動の関係や特徴について理解し、そのなかでの教育・学修支援の役割を説明することができる。
修了要件
- eラーニング6時間、対面授業2時間(予定)をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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我妻 鉄也
千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 白川 優治
千葉大学国際学術研究院 准教授 |
eラーニング
2021年2月15日(月)~ 対面授業
2021年5月15日(土) |
「カリキュラム理解」では、1)大学における教育課程の構造・特徴に関して各専門領域の基本原理の理解とともに各教育領域の現状と課題を把握すること、2)教養教育や専門外の各種授業科目の意味や位置について正課内・正課外の教育の関係も含めて理解することを目的として構成しました。
eラーニングでは、1)カリキュラムを理解する上での基本事項、2)インストラクショナルデザイン、3)カリキュラムマネジメント、4)哲学分野におけるカリキュラム策定と改善の事例、5)日本学術会議による分野別参照基準について学びました。また、eラーニングに加えて、事前課題に取り組みました。
オンラインによる対面授業では、事前課題に基づき、グループワークを行いました。今回のオンライン対面授業では、新型コロナウイルスの感染症拡大に対応するために、所属大学ではカリキュラム運営(授業運営)をどのように工夫・変更してきたか、工夫や変更する際の論点、共通の問題点について話し合うとともに、共通の問題点を解決するにはどのような方策が有効であるか検討を行いました。
また、コロナ禍が続く状況の中で、今後、カリキュラム運営(授業運営)をしていくにあたっての課題について話し合い、その課題を乗り越えるための方策について検討しました。
3)学生の抱える困難の理解と支援
目的
学修の場面や学生生活において、学生がどのような困難を抱えているか、それにどのように対応するか、学内外の組織間連携のあり方について、知識を修得し、応用することを目的とする。対面授業は、事前学習課題に基づくグループ・ワーク形式にて実施し、「学生の抱える困難」に関する履修生の問題意識を明確化するとともに、対応のあり方について分析することを目的とする。
到達目標
- 発達障害などの学生の抱える困難の現代的課題を理解する。
- 具体的な学生への対応のあり方について理解し、所属大学内の取り組みに応用する。
修了要件
- e ラーニング6時間、対面授業2時間(予定)をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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岡田 聡志
千葉大学アカデミック・リンク・センター 副センター長、准教授 松本 暢平
千葉大学国際未来教育基幹、特任助教 |
eラーニング
2020年10月12日(月)~ 対面授業
2020年12月12日(土) |
今回の「学生の抱える困難の理解と支援」テーマは、コロナ禍で学生を取り巻く環境が急激に変化していることを前提に、そのことに留まらない「困難」に焦点を当てて、eラーニングと対面授業から構成しました。
eラーニングでは、学生の経済的支援や発達障害、障害者差別解消法と合理的配慮、学生相談と学修支援の関連性などをテーマとして取り上げ、困難に至るメカニズムや詳細な実態、専門職との関わりなどについて、学習しました。
対面授業では、特にコロナ禍で大きな変化があり、また今後もその変化が継続するであろうキャリア支援について、キャリア支援の基本的事項から今後の展開に至る幅広い内容を取り上げました。未曽有の環境の中で、学生のキャリア意識やそれに基づく履修行動、進路選択も大きな影響を受ける状況に対して、キャリア支援の観点からの個々の教職員の支援のあり方について学習しました。
4)コミュニケーションとカウンセリングの基礎
目的
教育・学修支援を推進する上で大切なコミュニケーション能力を涵養するとともに、カウンセリングの基礎について理解することを目的とする。対面授業では、講義に加え、ロールプレイング演習を通じて、カウンセリングの基本技法を習得することを目指す。
到達目標
- 教育支援や学修支援の担当者に必要な法令遵守の意義や倫理観を身につけている。
- 多様な学生への効果的なコミュニケーションのあり方について説明することができる。
- チームで業務を進めるにあたり、自分の考えを伝えつつ、他者と合意形成を図り、協調的に業務を推進することができる。
- 他部局の職員等との連携を含めて、協働的体制を構築するための働きかけを行うことができる。
修了要件
- eラーニング4時間、対面授業4時間(予定)をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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我妻 鉄也 千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 |
eラーニング
2021年6月14日(月)~ 対面授業
2021年9月3日(金) |
基盤的テーマ「コミュニケーションとカウンセリングの基礎」は、履修生の大半を占める大学職員の方々が、業務を進める上で日常的に関与している「職員」「学生」「教員」「学外関係者」と効果的なコミュニケーションを図る上で必要な知識やスキルの習得、学生対応に求められるカウンセリングの基本技法の習得を目的に構成しました。
eラーニングでは、1)本学に40年にわたり勤務している幹部職員への職務経験に基づくコミュニケーションに関するインタビュー、2)「教職協働トップランナー」を目標に掲げる芝浦工業大学での教職学協働の取組といった実践事例からコミュニケーションのあり方について、学習しました。
オンラインによる対面授業では、種市康太郎桜美林大学リベラルアーツ学群領域長・教授を講師としてお招きし、1)コミュニケーションの基礎(相談、指導に関わる内容の対人コミュニケーションの基本、テレワークのマネジメントのポイント)、2)カウンセリングにおける基本技法(開かれた質問・閉じた質問、うながし・はげまし、明確化、感情の反映)、3)協調的・協働的コミュニケーションの基本(アサーティブなコミュニケーション、アンガー・マネジメント、ストレスを抱えた同僚・後輩への対応)について、講義やロールプレイング演習を通じて、学習しました。
5)高等教育の国際化対応
目的
高等教育の国際化を切り口として、所属大学(あるいは特定の大学)の方針や位置づけ、適切な学生対応について考える能力を身につけることを目的とする。対面授業では、事前課題に基づくグループワークを通じて、大学における留学生支援に関する理解を深め、留学生に対する効果的なコミュニケーションの方法を身に付けることを目指す。
到達目標
- 所属大学の国際化政策と教育課程や授業内容のつながりについて理解している。
- 国内・海外の大学の国際化対応の現状について理解し、その上で所属大学の位置付けを把握する。
- 留学生を含む多様な学生への効果的なコミュニケーションのあり方について説明することができる。
修了要件
- eラーニング5時間、対面授業3時間(予定)をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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織田 雄一
千葉大学国際未来教育基幹 教授 我妻 鉄也
千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 |
eラーニング
2021年6月14日(月)~ 対面授業
2021年9月3日(金) |
eラーニングについては、受け入れる外国人留学生への支援の観点から、留学生受入れの現状、入国から卒業までの流れ、留学生受入政策、留学生への教育・学修支援、拡大する留学生受入れの背景となる高等教育における国際化、グローバル人材育成の観点から、各大学での取組が拡大している日本人学生の海外留学の現状や危機管理、COIL(海外連携で行うオンライン協働学習)による国際教育交流、大学のグローバル化に関わる高等教育機関・教育プログラムの国際移動といった内容のコンテンツで構成しました。
オンラインによる対面授業では、その利点を生かして、米国のデラウェア大学English Language Institute(ELI)からペニントン和雅子先生を講師にお招きし、デラウェア大学の紹介、ELIでの取組、ELIの学生・卒業生、学生サポート、日本の大学が実施している主なプログラムとその可能性について講義が行われました。また、日本の大学における国際化の課題と方法をテーマとしたグループディスカッションが行われました。
その後、「コロナ禍での国際交流や留学生受け入れ」をテーマとする事前課題に基づき、1)外国人留学生に関わる受入状況、来日できない入学予定者への対処、今後の学生募集支援、2)日本人学生の海外留学に関わる現状、再開の見通し、学生への代替措置、3)教育活動、4)研究活動、5)アフターコロナの国際交流活動や留学生受入についてグループ内で意見出しとディスカッション、グループとしての意見集約が行われ、グループごとに発表が行われました。
最後に、織田教授から、コロナ禍における、「大学の国際化」に関する課題、外国人留学生の国際的な動向の変化の大学への影響、オンラインを活用した新たな取り組みといった内容の講義を含む、対面授業の総括が行われました。
6)教育IR入門:教育データの分析と活用
目的
教育に関するデータの収集・分析・報告・活用を通じて、学生や所属大学の実態を理解し、改善に活かすための方法や技術を修得することを目的とする。より具体的には、データを取り扱うための基本的な仕組みや分析方法、データ収集のためのアンケート調査の方法論、関連する法制度や実践事例等を取り扱うことにより、履修生自身の実践に結び付け、活用できるようになることを狙いとする。
到達目標
- 様々なデータの特徴と基本的なデータの分析手法を理解する。
- 教育・学修支援に関するデータを分析し、その改善や設計に利用することができる。
修了要件
- eラーニング8時間すべてを受講し、所定の課題を提出すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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岡田 聡志
千葉大学アカデミック・リンク・センター 副センター長、准教授 松本 暢平
千葉大学国際未来教育基幹、特任助教 |
eラーニング 2021年2月15日(月)~ |
「教育IR入門:教育データの分析と活用」テーマでは、IRに関わる専門職、いわゆるIR-erの養成としてではなく、分散型IRの必要性という視点から、現場の問題意識や文脈に適合するエビデンスや知見をどのように見出すかということに力点を置き、教育に関するデータの収集・分析・報告・活用を通じて、学生や所属大学の実態を理解し、改善に活かすための方法や技術を修得することを目的として実施しました。
本テーマは、すべての内容をeラーニングで受講する形式で実施しました。まず、IRの活動を端緒に、現在それが求められる背景や研究との関連性、内在する課題について確認した上で、データ収集の前提となる個人情報保護に関する知識やデータを管理する方法としてのデータベースの意義や基礎について学習しました。さらに、日本の大学で多用されるデータ収集方法の1つであるアンケート調査について、その設計の仕方や注意すべき点、現状としての課題等について確認し、分析方法として、基本的な記述統計から推測統計と実践との関連性、因果推論の必要性等を含め、幅広い観点から取り上げました。
また、すべての内容をeラーニングで実施することに伴い、一方向的にならないように、新たな試みとして、テーマ内で「履修生の抱える課題」を提出していただき、それらの課題を取り上げた内コンテンツを設定し、双方向性のある学習を行いました。
7)教育のICT化と教材開発支援
目的
高等教育におけるICT(情報通信技術)の活用が進展する状況下での大学の教材開発の意義、教材開発支援のために必要となる著作権の基本や大学における教材開発や教材開発支援の実践事例について理解する。
到達目標
- ICT を活用した教材開発支援の意義について理解し、それを説明することができる。
- 著作物を教材として利用する際に留意すべき著作権の基本について理解し、教員など教材作成者に助言できる。
- 自分自身で比較的簡易な教材の作成ができる。
修了要件
- eラーニング8時間(予定)をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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竹内 比呂也
千葉大学アカデミック・リンク・センター長、人文科学研究院 教授 檜垣 泰彦
千葉大学アカデミック・リンク・センター 副センター長、准教授 |
eラーニング 2020年10月12日(月)~ |
「教育のICT化と教材開発支援」においては、今日の高等教育機関における教材開発支援の意義と必要性、著作物の教材利用において留意すべき著作権についての基本的な知識、高等教育機関における教材開発支援体制やその活動の実際などをeラーニングで学びました。
イントロダクションとして教育のICT化の概要,その意義,教材作成支援の取り組み方,支援業務のマネージメントについて学んだのち,教育・学習活動にかかる著作権の基礎知識について,海外の事例なども交えて学びました。また,教材作成の実際を知っていただくために,プレゼンテーションソフトを活用した動画教材の作成,さらに,コロナ禍において短期のうちに多くの授業がオンライン授業(メディア授業)に移行せざるを得なくなったことを踏まえ,これをどのように推進するか,またどのような支援が必要でそのための組織を運営する上でどういう点に留意すれば良いかということについて,実践を踏まえつつ講義がなされました。
コロナ禍の下で,オンライン授業が常態化しましたが,それを支援する体制はまだまだ追いついていないように思われます。各大学においてそれぞれの状況に合わせて支援体制が構築されることが求められています。今回の講義を通じて,そのための基礎知識を得ていただけたのではないかと考えています。
8)学修支援とアカデミック・アドバイジング
目的
学修支援とアカデミック・アドバイジングの基本的な考え方と具体的な実践の理解を通じて、個別的な学修支援やアカデミック・アドバイジングの際に留意すべき点などを理解する。対面授業では、事前課題やケースによるワークショップを通じたアカデミック・アドバイジングに関する理解に基づいて、他者との協働を目指す。
到達目標
- アカデミック・アドバイジングについて理解し、説明できる。
- 個々の学生に対する学修支援について理解し、その際の留意点を説明できる。
修了要件
- eラーニング5時間、対面授業3時間(予定)をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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竹内 比呂也
千葉大学アカデミック・リンク・センター長、人文科学研究院 教授 我妻 鉄也
千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 |
eラーニング
2021年6月14日(月)~ 対面授業
2021年9月10日(金) |
基盤的テーマ「学修支援とアカデミック・アドバイジング」では、学修支援とアカデミック・アドバイジングの基本的な考え方と具体的な実践の理解を通じて、個々の学修支援やアカデミック・アドバイジングの際に留意すべき点等を理解することを目的に構成しました。
eラーニングでは、1)アメリカにおけるアカデミック・アドバイジングと日本における学習支援の実施状況、2)アメリカにおけるアカデミック・アドバイジングの理念と実践、3)アカデミック・アドバイジングの専門職団体(NACADA)年次集会への参加から得られたアカデミック・アドバイジングの動向について学びました。また、eラーニングに加えて、アカデミック・アドバイジングを整理する事前課題に取り組みました。
オンラインによる対面授業では、追手門学院大学基盤教育機構准教授の清水栄子先生を講師としてお招きし、アカデミック・アドバイジングの概要、アドバイジングによる学習成果、アドバイザーの役割と求められる能力、コーチングとしてのアカデミック・アドバイジングに関する講義が行われました。また、グループディスカッションやケースに基づくグループワークに取り組み、アカデミック・アドバイジングに関する理解を深めました。
9)教育方法・教育評価
目的
教育方法・教育評価の基本的な考え方と具体的な事例の理解を通じて、教育支援や学修支援との関わりや教職協働のあり方を検討し、設計・再構成することを目的とする。
到達目標
- 様々な教育方法・教育評価の特徴とその背景について理解する。
- 具体的な教育方法・教育評価が導入される文脈や専門分野との関係性について理解する。
- 教育方法・教育評価の現代的課題を教育・学修支援の取り組みと関係づける。
修了要件
- eラーニング6.5時間、対面授業1.5時間(予定)をすべて受講し、所定の課題を提出すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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岡田 聡志
千葉大学アカデミック・リンク・センター 副センター長、准教授 松本 暢平
千葉大学国際未来教育基幹、特任助教 |
eラーニング
2021年2月15日(月)~ 対面授業
2021年5月15日(土) |
往々にして教員の裁量として捉えられがちな状況を前提に、組織的取組の必要性という観点から、eラーニングと対面授業から構成しました。
eラーニングでは、前提として教育や評価の背景となっている経緯や理論について学習するとともに、教育評価の基礎として教育測定との関係性や測定において注意すべき事項の確認、そして評価の教育性や支援の可能性について取り上げました。さらに、具体的な教育方法・教育評価の事例については、アクティブ・ラーニングやポートフォリオの組織的取組について取り上げ、学習しました。加えて、各専門領域における特徴的な教育方法の実際については、任意で視聴可能なオプショナルな教材として、学習の機会を提供し、実際の場面で教員がどのように考え、教育方法に取り組んでいるかについて確認できる構成としました。
対面授業では、eラーニングで紹介された学習理論、評価論、テスト理論等に関する知識をふまえながら、各自の所属機関における教育方法・教育評価に関する改善点や提案について、小グループでの討議とボトムアップ型のディスカッションを行いました。はじめに、各参加者が、事前課題をふまえて自身の高等教育機関での学修経験を振り返り、教育方法・教育評価面のGood Practiceを含むと考えられる授業科目の特徴をグループ内で共有しました。次に、各事例についての共通点・相違点などをグループ内で検討しました。最後に、グループごとに、事例をひとつ報告し、eラーニングから得た知識と実際の授業運営とを突合させながら、総括的なディスカッションを行いました。教育方法・教育評価のあり方について、各機関の状況に即し、どのような視座から、どのような提案を行うかについて、各々が知見を深められたと期待しています。
10)学生・学修に対する理解
目的
大学における教育・学修支援の専門性を高めるため、学生を取り巻く状況と、学生の学習のあり方について理解する。本テーマでは、学生の多様化が進む一方で、学修の質の向上が求められていることを前提に、①大学生の変化と学生を取り巻く状況の変化、②大学生の学習の状況、について学習する。対面授業では、グループワーク形式にて、特定の文脈を想定し、学生の現状を分析し具体的な改善方策を計画することを目的とする。
到達目標
- 学生の変化と学生を取り巻く状況の変化を理解し、学生の社会的地位やイメージについて時代の変化を説明することができる。
- 大学での学習、大学生の学習状況について、現状と課題を説明することができる。
修了要件
- eラーニング7時間、対面授業1時間(予定)をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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岡田 聡志
千葉大学アカデミック・リンク・センター 副センター長、准教授 松本 暢平
千葉大学国際未来教育基幹、特任助教 |
eラーニング
2021年6月14日(月)~ 対面授業
2021年9月10日(金) |
「学生・学修に対する理解」テーマでは、学生や学生を取り巻く変化や学習の状況と課題に焦点を当て、系統主義と経験主義や学校制度と徒弟制などの時に対立しがちな議論を取り扱いながら、その緊張関係と可能性について批判的に考察することを目的として実施しました。
eラーニングでは、縦断的な視点から「学生像」の歴史的変化や、学習を通じて個人として学生がどのように変化するかということについて認知科学の領域、アカデミック・ライティングの実践、カレッジ・インパクト論と学生の自己認識の変容、から学習しました。
対面授業では、「学生支援・学修支援の全体像」をテーマに、履修生が所属する大学等の学修支援と学生支援の全体像を他の履修生に説明するワークショップを実施し、教育・学修支援をワンストップで担うための情報整理とともに、それを他者に説明する方法や他の事例から自大学の実践の特徴・不足について考察する学習に取り組みました。
11)ラーニングコモンズの運営
目的
アクティブラーニングを促進し、学修の質を高める効果をもたらす学習環境としてのラーニングコモンズの特性について理解するとともに、教育・学修支援との関わりやラーニングコモンズにおける教職協働などについて、具体的な事例の学習を通じて理解する。対面授業では、国内・海外における先進的な学習空間の事例もふまえながら、実際に、ラーニングコモンズ及び学習支援サービスを設計・運営した経験をもつ教職員を交えたワークショップを行い、その実践上の課題等について理解を深める。
到達目標
- ラーニングコモンズが教育、学習に関してどのような効果を持つかを理解し、説明できる。
- ラーニングコモンズにおける学生向けの活動の計画立案、実施について説明できる。
修了要件
- e ラーニング5時間、対面授業3時間(予定)をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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國本 千裕 千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任准教授 |
eラーニング
2021年6月14日(月)~ 対面授業
2021年9月10日(金) |
本コースでは、アクティブ・ラーニングを促進し、学修の質を高める「学習環境」について、基本概念を理解するとともに、実際に学習空間を設計・運用・評価・改善する段階で運営者が直面しやすい各種課題への理解や、各段階で必要となる基本的な知識の習得を目的としています。特にラーニングコモンズに焦点を当てて、1)その特性と普及の背景、2)教育・学修支援との関わり、3)教員・職員・学生が協働する際の課題、4)様々な評価や改善の手法について学びました。上記1)~4)については「eラーニング」形式で学習し、そこで習得した知識を元に、実際に空間とサービスを模擬設計する、ワークショップ形式の「対面授業」をオンラインで実施しました。
eラーニング前半では、計画段階で運営者がふまえておくべき概念と理論、設 計時に必須となる「グランドデザイン」等について、国内外の先進事例を元に講義を行いました。eラーニング後半では、学習環境や支援サービスの実践過程で生じる、各種課題とその解決方法について、一般的な解決策のみならず、アカデミック・リンクにおける過去の実践例も参照しながら学びました。今年度は、ALPS修了生の方に講師に加わっていただき、所属大学におけるピアサポータの育成や、COVID19下における学習支援の実践といったトピックについても取り上げました。
対面授業では、ZOOMによるオンライン・グループ・ワークを実施しました。受 講生は所属大学ごとに異なる「大学と学生の特徴」を事前調査したうえで、5名程度の「同質グループ」に分かれ、各大学の状況により適合した「ラーニングコモンズ」を模擬設計するワークショップを行いました。
12)教育・学修支援マネジメント(1)
目的
教育・学修支援を実践するための手法を修得することを目的とする。
到達目標
- 教育・学修支援の専門性に必要な能力項目に関わる基本的な知識を包括的に理解している。
修了要件
- 対面授業およびオンラインミーティング計8時間(予定)を受講し、グループワークに参加すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 |
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竹内、檜垣、山本、岡田、國本、前田、白川、 石井、織田、姉川、藤本、我妻、久保田、松本 |
対面授業
【ターム1】2020年11月21日(土) |
「教育・学修支援マネジメント(1)」は、大学における教育・学修支援に関連する特定のテーマについて、グループワークを通じて深めていき、その課題の発展的なあり方を探索することをその内容としています。「教育・学修支援」という抽象的な概念から、具体的な課題をどのように実践していくかに発展させ、異なるバックグランドをもった履修生同士が協力し、分担して取り組んでいきます。アカデミック・リンク・センターの関係教員が、アドバイザーとして各グループに関わっていきます。
オンライン会議システムを利用して開催された「ターム1」対面授業(2020年11月)では、「教育・学修支援マネジメント」の進め方に関する説明が行われたのち、5名又は6名のグループで、今後取り組むテーマに関して検討しました。
13)教育・学修支援マネジメント(2)
目的
教育・学修支援を実践するための手法を修得することを目的とする。
到達目標
- 教育・学修支援の専門性に必要な能力項目に関わる基本的な知識を身につけており、その知識を他者に説明することができる。
修了要件
- 対面授業及びオンラインミーティング計8時間(予定)を受講し、グループワークに参加するとともに、テーマ修了時に実施予定の成果報告会で発表を行うこと
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 |
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竹内、檜垣、山本、岡田、國本、前田、白川、 石井、織田、姉川、藤本、我妻、久保田、松本 |
対面授業
【ターム3・4】2021年8月28日(土)・12月4日(土) |
「教育・学修支援マネジメント(2)」では、1年目の「教育・学修支援マネジメント(1)」にて設定した教育・学修支援に関連する特定のテーマについて、グループワークを通じて深めていき、その課題の発展的あり方を探索することをその内容としております。
オンライン会議システムを利用した開催された「ターム3」対面授業(2021年8月)では、「ターム1」対面授業後に実施してきたオンラインミーティングでの検討内容を踏まえ、成果報告会(2021年12月開催)での発表を見据えた議論を行うとともに、成果報告会までの準備について確認しました。
「ターム4」対面授業(2021年12月)では、オンライン会議システムを利用し、成果報告会が開催されました。成果報告会には、2020年度生(第4期生)に加え、2021年度生(第5期生)や修了生も参加しました。今回の成果報告会では、2グループが、「教職協働」「学生支援」をテーマに約15分間のプレゼンテーションを行いました。その後、ディスカッションの時間では、発表者以外の参加者も交えて活発な議論が展開されました。最後に、各グループのアドバイザーを務めた教員から講評が行われ、1年にわたり取り組んだ「教育・学修支援マネジメント」が終了しました。
14)プロジェクト研究・実習(1)
目的
本テーマでは、実際に、教育・学修支援を推進する際に生じる諸問題について、個人的な課題を設定し、クリティカルに追求し、具体的課題解決を検討、企画・実践する能力を身につけることを目的とする。
到達目標
- これまでに身につけた教育・学修支援に関わる知識・スキルを実践の場の問題解決に応用することができる。
修了要件
- 対面授業およびオンラインミーティングにて、指導担当者の指導を受けること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 |
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竹内、檜垣、山本、岡田、國本、前田、白川、 石井、織田、姉川、藤本、我妻、久保田、松本 |
対面授業
【ターム1・3】2020年11月21日(土)・2021年8月28日(土) |
「プロジェクト研究・実習」は、個々の履修生が自ら設定する「教育・学修支援」に関する具体的なテーマ・課題(職務や実務のなかで自分自身が関心を持っているテーマ・課題など)について、具体的な改善や実践を視野に入れながら、その課題の理解と解決に1年4か月を通じて、計画的に取り組んでいくものです。課題を分析し、さまざまな大学の取り組み事例を調査することなどを通じて課題解決の方法を探究するとともに、履修生の置かれた状況や各大学の状況のなかで、どのように改善・解決することができるのか、その改善提案を具体的に考えていきます。同じテーマ・課題であっても、組織の状況や環境によって、改善・解決の選択肢が変わることを前提にする実践的なプロジェクト型のコースです。個々人に対して、アカデミック・リンク・センターの関係教員が、アドバイザーを務めます。
オンラインにより開催された「ターム1」対面授業(2020年11月)では、各履修生が設定した「研究課題」をより具体的にするために、アドバイザーとその計画や方法について議論を行いました。また、次回までの課題を設定するとともに、オンラインミーティングの実施方法や実施時期について確認を行いました。
15)プロジェクト研究・実習(2)
目的
本テーマでは、「プロジェクト研究・実習(1)」での研究・実習を、さらに深め、設定した個人的な課題について、クリティカルに追求し、具体的課題解決を検討、企画・実践する能力を身につけることを目的とする。
到達目標
- これまでに身につけた教育・学修支援に関わる知識・スキルを実践の場の問題解決に応用することができる。
- これまでの研究・実習の成果を取りまとめ、発信することができる。
修了要件
- 担当教員指導の下、研究・実習を進め、テーマ修了時に実施予定の成果報告会で発表を行うこと
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 |
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竹内、檜垣、山本、岡田、國本、前田、白川、 石井、織田、姉川、藤本、我妻、久保田、松本 |
対面授業
【ターム3・4】2021年8月28日(土)・12月18日(土) |
「プロジェクト研究・実習(2)」は、個々の履修生が自ら設定する「教育・学修支援」に関する具体的なテーマ・課題(職務や実務のなかで自分自身が関心を持っているテーマ・課題など)について、1年目の「プロジェクト研究・実習(1)」を発展させ、その課題の具体的な改善や解決、実践に取り組んでいくものです。
同じテーマ・課題であっても、組織の状況や環境によって、改善・解決の選択肢が変わることを前提にする実践的なプロジェクト型のコースです。個々人に対して、アカデミック・リンク・センターの関係教員が、アドバイザーを務めます。
オンラインにより開催された「ターム3」対面授業(2021年8月)では、オンラインミーティング後の課題の進捗状況を確認し、課題を進める中での問題点の確認や対応を検討しました。また、12月に開催される成果報告会に向けた準備やスケジュールについて確認しました。
「ターム4」対面授業(2021年12月)では、オンライン会議システムを利用し、「プロジェクト研究・実習」の集大成となる成果報告会が開催されました。履修生は各自が取り組んできたテーマについて15分間のプレゼンテーションと5分間の質疑応答を行いました。成果報告会では、履修生が所属機関等で取り組んできた実践の成果を中心に発表が行われました。その後のディスカッションでは、発表者以外の参加者(2021年度生(第5期生)、修了生)も交えて活発な議論が行われ、参加者にとっても大きな学びの時間となりました。その後、アドバイザー教員から発表者への講評や教員から成果報告会全体への講評が行われ、成果報告会は終了しました。