Certificate Program for Professional of Educational and Learning Support
履修証明プログラム
コース概要と実施報告:第1期生
1)高等教育政策と自校理解
目的
高等教育政策の動向とその背景にある社会変動を理解するとともに、教育・学修支援に関係する大学評価や質保証のあり方について、所属大学の方針や各種取り組み状況を理解することで、自校の今後の教育・学修支援のあり方を考え、具体的に改善に結び付けるための基礎的能力の習得を目的とする。
到達目標
- 高等教育政策の制度・政策の現状、大学を取り巻く環境などについての基本的な理解を身に付ける。
- 学内のさまざまな取り組み状況を他校の状況と比較しながら現状を理解し、自校の今後の教育・学修支援の現状と課題を説明することができる。
修了要件
- eラーニング4時間、対面授業4時間をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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白川 優治 千葉大学国際教養学部 准教授、アカデミック・リンク・センター 副センター長 |
eラーニング
2017年8月~ 対面授業
2017年9月13日(水) |
今回の「高等教育政策と自校理解」のコースは、現在の高等教育政策の重要なテーマの中で個々の大学の大学教育のあり方や学生の学びに関連深いテーマを具体的に取り上げ、その内容が自分の大学ではどのように対応されているのか、どのように関係するのかを理解することを目的に構成しました。具体的なテーマとして、認証評価制度の動向と高大接続改革を中心的に取り上げました。
eラーニングでは、近年の大学をとりまく政策動向の全体状況、認証評価の制度の経過と内部質保証をめぐる動向について学び、所属大学の内部質保証の体制、教育改善の取り組みを整理する課題に取り組みました。
対面授業では、1)eラーニングを踏まえたグルーブワークと2)政策動向について学ぶ講義の2つの内容を行いました。1)グループワークでは、所属大学の教育改善や内部質保証についての取り組みを説明するとともに、他大学の取り組み状況を理解するグループワークを行いました。2)政策動向を学ぶ講義では、沖清豪早稲田大学文学学術院教授を外部講師としてお招きし、現在進められている高大接続改革の動向について、この改革の背景や課題、個々の大学に求められる対応について学びました。
授業風景
2)カリキュラム理解
目的
大学における教育課程の構造・特徴について、各専門領域の基本原理を理解するとともに、各教育領域の現状と課題を把握する。また、教養教育や専門外の各種授業科目の意味や位置について、正課内・正課外の教育の関係も含めて理解する。
到達目標
- 大学教育における教育課程の特徴、各専門領域の教育課程の特徴について説明することができる。
- 教養教育・共通教育など、専門教育以外の教育課程について、意味や特徴を理解し、自校の状況について説明することができる。
- 正課内・正課外の教育活動の関係や特徴について理解し、そのなかでの教育・学修支援の役割を説明することができる。
修了要件
- eラーニング4時間、対面授業4時間をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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我妻 鉄也
千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 白川 優治
千葉大学国際教養学部 准教授 |
eラーニング
2019年2月~ 対面授業
2019年3月4日(月) |
今回の「カリキュラム理解」では、1)大学における教育課程の構造・特徴に関して各専門領域の基本原理の理解とともに各教育領域の現状と課題を把握すること、2)教養教育や専門外の各種授業科目の意味や位置について正課内・正課外の教育の関係も含めて理解することを目的として構成しました。
eラーニングでは、1)カリキュラムを理解する上での基本事項、2)インストラクショナルデザイン、3)カリキュラムマネジメントについて学びました。また、eラーニングに加えて、1)所属大学における教養教育・共通教育のカリキュラム構成、その意味や特徴、2)教養教育・共通教育とカリキュラム・ポリシーとの整合性を分析する事前課題に取り組みました。
対面授業では、桜美林大学リベラルアーツ学群哲学専攻プログラム専任講師の田中一孝先生を外部講師としてお招きし、「カリキュラムの策定とカリキュラム改善」という題目にて、逆向き設計(学修成果ベースによって逆算し、コースの終わりから遡るようにカリキュラムを設計)、授業コース設計、カリキュラムマップの活用、評価の具体例、継続的なカリキュラムの改善といった内容に関して哲学分野での事例を踏まえながら講義が行われました。対面授業の後半では、事前課題に基づき、履修生の所属大学の教養教育・共通教育における共通点や相違点あるいは特徴的な点、カリキュラム・ポリシーとの整合性といった内容に関してグループディスカッションを行った後、グループでの検討内容を全体で共有し、教養教育を中心としたカリキュラムに関する理解を深めました。
授業風景
3)学生の抱える困難の理解と支援 ※このコースは、公開講座としても開催されました。
目的
学修の場面や学生生活において、学生がどのような困難を抱えているか、それにどのように対応するか、学内外の組織間連携のあり方について、知識を修得し、応用することを目的とする。
到達目標
- 発達障害などの学生の抱える困難の現代的課題を理解する。
- 具体的な学生への対応のあり方について理解し、所属大学内の取り組みに応用する。
修了要件
- eラーニング4時間、対面授業4時間をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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岡田 聡志 千葉大学高等教育研究機構 特任准教授 |
eラーニング
2017年8月~ 対面授業
2017年9月12日(火) |
今回の「学生の抱える困難の理解と支援」のコースは、海外の専門職開発でも"Mental Health"や"Social Justice and Inclusion"などの領域が重要視されていることを踏まえ、それらに関連するテーマについて、実際の「困難」の内容やそれに関わる主体、また体制・制度といった観点から知識を習得し、具体的な対応としての応用に繋げていくことを目的に構成しました。
学生が抱える困難の個別の内容は非常に多岐に渡るため、今回は特に大学において体制や制度が整備されているものを中心に取り扱うことで、学内外の組織間連携という観点からも検討ができるようなテーマを設定しました。
eラーニングでは、学生支援のモデルやそれを検討する視点について取り上げた上で、学生の経済的支援、ハラスメントへの対応、学生相談から見た学修支援、臨床心理士の関わりなどをテーマとし取り上げ、学びました。
対面授業では、1)障害者差別解消法と合理的配慮、2)大学生と発達障害の支援、の2つのテーマを取り上げました。1)障害者差別解消法と合理的配慮については、石原保志筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター教授を講師としてお招きし、体験型の活動も行いながら、教育的観点のあり方について学びました。2)大学生と発達障害の支援については、渡邉慶一郎東京大学学生相談ネットワーク本部准教授と川瀬英理東京大学学生相談ネットワーク本部助教をお招きし、模擬事例を含めて、大学生の発達障害の実態や対応のポイントなどについて学びました。
授業風景
4)コミュニケーションとカウンセリングの基礎
目的
教育・学修支援を推進する上で大切なコミュニケーション能力を涵養するとともに、カウンセリングの基礎について理解することを目的とする。
到達目標
- 教育支援や学修支援の担当者に必要な法令遵守の意義や倫理観を身につけている。
- 多様な学生への効果的なコミュニケーションのあり方について説明することができる。
- チームで業務を進めるにあたり、自分の考えを伝えつつ、他者と合意形成を図り、協調的に業務を推進することができる。
- 他部局の職員等との連携を含めて、協働的する体制を構築するための働きかけを行うことができる。
修了要件
- eラーニング4時間、対面授業4時間をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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我妻 鉄也 千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 |
eラーニング
2018年8月~ 対面授業
2018年9月11日(火) |
今回の「コミュニケーションとカウンセリングの基礎」のコースは、受講生の大半を占める大学職員の方々が、業務を進める上で日常的に関与している「職員」「学生」「教員」「学外関係者」とのコミュニケーションを図る上での基礎知識の習得や実践事例の学習、学生対応に求められるカウンセリングの基礎知識の習得を目的に構成しました。
eラーニングでは、1)本学に40年にわたり勤務している幹部職員への職務経験に基づくコミュニケーションに関するインタビュー、2)「教職協働トップランナー」を目標に掲げる芝浦工業大学での教職協働の取組といった実践事例からコミュニケーションのあり方について、学習しました。
対面授業では、種市康太郎桜美林大学リベラルアーツ学群領域長・教授を講師としてお招きし、1)コミュニケーションの基礎(対人コミュニケーション)、2)カウンセリングにおける基本技法、3)協調的・協働的コミュニケーションの基本(アサーティブコミュニケーション、アンガー・マネジメント、ストレスを抱えた同僚・後輩への対応)について、講義やロールプレイング演習を通じて、学習しました。
授業風景
5)高等教育の国際化対応
目的
高等教育の国際化を切り口として、所属大学の方針や位置づけ、適切な学生対応について考える能力を身につけることを目的とする。
到達目標
- 所属大学の国際化政策と教育課程や授業内容のつながりについて理解している。
- 国内・海外の大学の国際化対応の現状について理解し、その上で所属大学の位置付けを把握する。
- 留学生を含む多様な学生への効果的なコミュニケーションのあり方について説明することができる。
修了要件
- eラーニング4時間、対面授業4時間をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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御手洗 明佳 千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 |
eラーニング
2017年8月~ 対面授業
2017年9月12日(火) |
今回の「高等教育の国際化対応」のコースは、高等教育の国際化を切り口として、所属大学の方針や位置付けを理解するとともに多様な背景を持つ学生に対応する能力を身に付けることを目的に構成しました。具体的なテーマとして、「留学生への対応」に焦点を当てた内容を中心的に取り上げました。
eラーニングでは、留学生を包括的に理解することを目的に、まず、留学生の概念、政策、学生生活など、制度を理解するための講義を受講し、次に、国際化に対応する他大学の取り組みについて学び、所属大学における留学生支援とはどのようなものか、関係者へのヒアリングや所属大学のウェブサイト、関係文書を調べる課題に取り組みました。
対面授業では、1)eラーニングを踏まえたグルーブワークと2)「留学生アドバイジング」について学ぶ講義、3)実践事例の共有の3つの内容を行いました。1)eラーニングを踏まえたグルーブワークでは、所属大学の留学生への支援として、生活支援について、学修支援についてどのような課題を抱えているか説明するとともに、他大学の取り組み状況を理解するグループワークを行いました。2)「留学生アドバイジング」について学ぶ講義では、中島美奈子東北大学高度教養教育・学生支援機構グローバルラーニングセンター准教授を外部講師としてお招きし、留学生アドバイジングについて、理論的な定義や実践する上での注意点、個々の大学に求められる対応について学びました。3)実践事例の共有では、奥田聡子千葉大学学務部留学生課留学生交流推進係長を講師としてお招きし、留学生が関わる学修支援のトラブルへの対応について、どのような対応ができるのか、これまで留学生課で培ってきたノウハウを参考にしながら、より具体的に学びました。
授業風景
6)教育IR入門:教育データの分析と活用
目的
教育に関するデータの収集・分析・報告・活用を通じて、学生や所属大学の実態を理解し、改善に活かすための方法や技術を修得することを目的とする。
到達目標
- 様々なデータの特徴と基本的なデータの分析手法を理解する。
- 教育・学修支援に関するデータを分析し、その改善や設計に利用することができる。
修了要件
- eラーニング4時間、対面授業4時間をすべて受講し、所定の課題を提出すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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岡田 聡志 千葉大学アカデミック・リンク・センター 副センター長、准教授 |
eラーニング
2018年8月~ 対面授業
2018年9月11日(火) |
今回の「教育IR入門:教育データの分析と活用」のコースは、IRに関わる専門職の養成としてではなく、分散型IRの必要性という視点から、現場の問題意識や文脈に適合するエビデンスや知見の提供ということに力点を置き、教育に関するデータの収集・分析・報告・活用を通じて、学生や所属大学の実態を理解し、改善に活かすための方法や技術を修得することを目的として実施しました。
eラーニングでは、どのようにデータを分析するかについてデータの取得方法やその後の分析についての考え方について学習するとともに、データを収集・管理する方法としてデータベースの意義や基礎を確認しました。さらに個人情報保護の観点から、教育データを取り扱うときにどのような法律が関連しどのような注意が必要かについて知識を得るとともに、具体的な活用事例として、内部質保証におけるIRの取り組みについて学習しました。
対面授業では、まず所属機関の改善のためにどういった仮説を立てることが出来るかについて考えた上で、実際の調査報告書を利用しそのデータからどのような作業仮説に落とし込むことができるか、どのような仮説が効果的に利用できそうかなどについて、グループワークを中心に学習しました。
授業風景
7)教育のICT化と教材開発支援
目的
高等教育におけるICT(情報通信技術)の活用が進展する状況下での大学の教材開発の意義、教材開発支援のために必要となる著作権の基本や大学における教材開発や教材開発支援の実践事例について理解する。
到達目標
- ICTを活用した教材開発支援の意義について理解し、それを説明することができる。
- 著作物を教材として利用する際に留意すべき著作権の基本について理解し、教員など教材作成者に助言できる。
- 自分自身で比較的簡易な教材の作成ができる。
修了要件
- eラーニング4時間、対面授業4時間をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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竹内 比呂也 千葉大学アカデミック・リンク・センター長、人文科学研究院 教授 |
eラーニング
2017年8月~ 対面授業
2017年9月11日(月) |
「教育のICT化と教材開発支援」のコースでは、これまで各教員のそれぞれ個人的努力や工夫に委ねられていた教材の作成・開発に関し、今日の高等教育における情報通信技術(ICT)の活用状況や学習における教材の重要性を踏まえ、このような活動を支援する体制を構築し運用するために必要な知識の習得を目的として内容が構成されました。実際に機器を駆使してICTを活用した教材を作成することよりも、そのような活動を行う部署を運営していくことに力点が置かれました。
eラーニングでは、教育・学修における教材の意義、大学教育におけるICTの効果的な活用に係る実践事例、著作物を教材として利用する際には避けて通ることができない著作権法について学び、また著作権法については、オンライン・テストによって自分自身の理解度を測定できるようにするとともに、解説も動画で提供しました。
対面授業では、千葉大学アカデミック・リンク・センターが行ってきた教材開発を事例として取り上げ、具体的にどのようなプロセスを経て教材が作成されていったかを解説しました。また、動画編集の実際について理解するためのデモンストレーションがなされました。著作権については、文化審議会著作権分科会における最新の検討状況について、e-ラーニングの内容を補足する形で説明がなされました。このような教材開発支援は必ずしも多くの大学で実施されているわけではないので、このような業務の必要性についてはまだまだ理解されていないと思いますが、必要性を理解するための手がかりと必要な知識を身に付けていただけたものと考えています。
授業風景
8)学修支援とアカデミック・アドバイジング
目的
学修支援とアカデミック・アドバイジングの基本的な考え方と具体的な実践の理解を通じて、個別的な学修支援やアカデミック・アドバイジングの際に留意すべき点などを理解する。
到達目標
- アカデミック・アドバイジングについて理解し、説明できる。
- 個々の学生に対する学修支援について理解し、その際の留意点を説明できる。
修了要件
- eラーニング2時間、対面授業6時間をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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竹内 比呂也
千葉大学アカデミック・リンク・センター長、人文科学研究院 教授 御手洗 明佳
千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 |
eラーニング
2018年1月~ 対面授業
2018年3月5日(月) |
今回の「学修支援とアカデミック・アドバイジング」のコースは、アカデミック・アドバイスとは何か、また、アカデミック・アドバイザーが担う役割や存在意義について自分なりの考えを示すことができるようになることを到達目標として構成しました。
eラーニングでは、1)アカデミック・アドバイジングについて国内で先進的に行なっている大学の事例、2)アメリカにおけるアカデミック・アドバイジングの現状、3)アカデミック・アドバイジングの専門職団体(NACADA)年次集会への参加から得られた情報について学びました。「アカデミック・アドバイジング」についてより多面的・多角的に理解しながら、アカデミック・アドバイジングの状況を整理する事前課題に取り組みました。
対面授業では、アカデミック・アドバイジングの専門家である清水栄子愛媛大学教育・学生支援機構教育企画室講師を外部講師としてお招きし、eラーニングを踏まえた講義、個々の学生に対する学修支援についての理解、さらに、その際の留意点を考えるグループワークを行い、所属大学の学生対応に適応する方法について学びました。
授業風景
9)教育方法・教育評価
目的
教育方法・教育評価の基本的な考え方と具体的な事例の理解を通じて、教育支援や学修支援との関わりや教職協働のあり方を検討し、設計・再構成することを目的とする。
到達目標
- 様々な教育方法・教育評価の特徴とその背景について理解する。
- 具体的な教育方法・教育評価が導入される文脈や専門分野との関係性について理解する。
- 教育方法・教育評価の現代的課題を教育・学修支援の取組みと関係づける。
修了要件
- eラーニング5時間、対面授業3時間をすべて受講し、所定の課題を提出すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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岡田 聡志
千葉大学高等教育研究機構 特任准教授 御手洗 明佳
千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 |
eラーニング
2018年1月~ 対面授業
- |
今回の「教育方法・教育評価」のコースは、海外の学生担当専門職や能力開発プログラムにおいても、既存の職務だけでなく、学生・教員・職員の様々な学習や能力開発を設計・実施・評価を主体的に実施・関与することが重視されていることを踏まえ、教育方法・教育評価の基本的な考え方と具体的な事例の理解を通じて、教育支援や学習支援との関わりや教職協働との関連性、あるいは活動そのものの設計・再構成に活用することを目的として実施しました。
本コースは、すべての内容をeラーニングで受講する形式で実施し、①様々な教育方法・教育評価の特徴とその背景について理解する、②具体的な教育方法・教育評価が導入される文脈や専門分野との関連性について理解する、③教育方法・教育評価の現代的課題を教育・学修支援の取組と関連付ける、という3つの視点からコンテンツを構成することとし、知識観・学習観の変遷や教育評価の理論や種類、TBLやPBL、ルーブリックなどの個別授業における教育方法・教育評価の導入や実施のされ方、機関としての取組などをテーマとして取り上げ、学びました。また、複数の設問形式を混在させたオンライン・テストを設定することにより、テストの特徴を体験的に理解するとともに、学習の理解度を確認する課題に取り組みました。
10)学生・学修に対する理解
目的
大学における教育・学修支援の専門性を高めるため、学生を取り巻く状況と、学生の学習のあり方について理解する。本コースでは、学生の多様化が進む一方で、学修の質の向上が求められていることを前提に、①大学生の変化と学生を取り巻く状況の変化、②大学生の学習の状況、について学習する。
到達目標
- 学生の変化と学生を取り巻く状況の変化を理解し、学生の社会的地位やイメージについて時代の変化を説明することができる。
- 大学での学習、大学生の学習状況について、現状と課題を説明することができる。
修了要件
- eラーニング4時間、対面授業4時間をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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我妻 鉄也
千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任助教 岡田 聡志
千葉大学アカデミック・リンク・センター 副センター長 |
eラーニング
2018年8月~ 対面授業
2018年9月12日(水) |
今回の「学生・学修に対する理解」のコースは、海外の専門職開発でも"Student Learning and Development"や"Theories about College Student"などのテーマが重視されていることを踏まえ、学生の多様化が進む中での学生自身とそれを取り巻く状況の変化、それに伴う学習状況の変化について理解し、説明できることを目的に実施しました。
eラーニングでは、特に歴史的・制度的視点からの学生像の変化や発達心理学的視点から学生個人の発達段階やその理論、カレッジインパクトなどの他者や環境との相互作用による個人の変化などといった、縦断性(経時的変化)に焦点を当て学習しました。
対面授業では、特に機関間・専門分野間などの違いや共通点という横断性の観点から、「教育IR入門:教育データの分析と活用」コースの対面授業と連動し、履修生が作成した仮説に基づいて、実際のデータ分析の結果を確認することで、現在の大学生がどのような特徴や課題を持っているかについて、学習しました。
授業風景
11)ラーニングコモンズの運営 ※このコースは、公開講座としても開催されました。
目的
アクティブラーニングを促進し、学修の質を高める効果をもたらす学習環境としてのラーニングコモンズの特性について理解するとともに、教育・学修支援との関わりやラーニングコモンズにおける教職協働などについて、具体的な事例の学習を通じて理解する。
到達目標
- ラーニングコモンズが教育、学習に関してどのような効果を持つかを理解し、説明できる。
- ラーニングコモンズにおける学生向けの活動の計画立案、実施について説明できる。
修了要件
- eラーニング5時間、対面授業3時間をすべて受講すること
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 ※eラーニングの視聴可能期限は履修期間修了まで |
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竹内 比呂也
千葉大学アカデミック・リンク・センター長、人文科学研究院 教授 國本 千裕
千葉大学アカデミック・リンク・センター 特任准教授 |
eラーニング
2019年1月~ 対面授業
2019年3月4日(月) |
本コースでは、アクティブ・ラーニングを促進し、学修の質を高める「学習環境」について基本概念を理解するとともに、実際に学習空間を設計・運用・評価・改善する段階で、運営者が直面する各種の課題への理解や、必要となる基本的な知識の習得を目的としています。具体的には、特にラーニングコモンズに焦点を当て、1)その特性と普及の背景、2)教育・学修支援との関わり、3)教員・職員・学生が協働する際の課題、4)様々な評価や改善の手法について学びました。今年度は、上記1)~4)については「eラーニング」形式で学習し、そこで習得した知識を元に、実際に空間とサービスを模擬設計する、ワークショップ形式の「対面授業」を実施しました。
eラーニング前半では、計画段階でふまえておくべき概念と理論、さらに、設計時に必須となる理念(グランドデザイン)等について、国内外の先進事例を元に講義を行いました。eラーニング後半では、学習環境や支援サービスを、実際に運用・評価・改善する段階で生じる、各種課題とその解決法について、一般的な解決策だけではなく、アカデミック・リンクにおける過去の実践例も参照しながら学びました。
対面授業では、受講生の所属大学ごとに異なる「大学と学生の特徴」を事前調査したうえで、受講生は5名程度の「同質グループ」に分かれて、各大学の状況により適合した「ラーニングコモンズ」を模擬設計するグループ・ワークを行いました。
授業風景
12)教育・学修支援マネジメント(1)
目的
教育・学修支援を実践するための手法を修得することを目的としている。
到達目標
- 教育・学修支援の専門性に必要な能力項目に関わる基本的な知識を包括的に理解している。
修了要件
- 対面授業8時間を受講し、グループワークに参加するとともに、コース修了時に実施予定の中間報告会で発表を行うこと
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 |
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竹内、白川、山本、檜垣、前田、石井、織田、 岡田、國本、藤本、姉川、池田、常川、御手洗 |
対面授業
【2017年度夏期】2017年9月11日(月) 【2017年度春期】 事前打ち合わせ 2018年3月5日(月) 中間成果報告会 2018年3月6日(火) 来年度について 2018年3月6日(火) |
「教育・学修支援マネジメント」は、大学における教育・学修支援に関連する特定のテーマについて、グループワークを通じて深めていき、その課題の発展的なあり方を探索することをその内容としています。「教育・学修支援」という抽象的な概念から、具体的な課題をどのように実践していくかに発展させ、異なるバックグランドをもった履修生同士が協力し、分担して取り組んでいきます。アカデミック・リンク・センターの関係教職員が、アドバイザーとして各グループに関わっていきます。
2017年度夏期の対面授業では、「学修成果」「大学のカリキュラム」「発達障害・身体障害・精神疾患/学生相談・カウンセリング」「アンケート調査の設計・分析」「アクティブラーニング」という具体的なテーマに対して、4~6名のグループで検討を進めました。グループでの検討は、春期の対面授業に続きます。
2017年度春期の対面授業では、夏期対面授業で決まった6つのグループ(「学修成果(1)」「学修成果(2)」「大学のカリキュラム」「発達障害・身体障害・精神疾患/学生相談・カウンセリング」「アンケート調査の設計・分析」「アクティブラーニング」)による「中間成果報告会」を実施しました。各グループは約半年間の調べ学習の成果について約15分のプレゼンテーションを行い、その後、約5分間の質疑応答が行われました。
報告会後は、来年度の「教育・学修マネジメント(2)」の成果報告会へ向けたより具体的テーマの設定や来年度の学習計画について話し合いを行いました。
授業風景
13)教育・学修支援マネジメント(2)
目的
教育・学修支援を実践するための手法を修得することを目的としている。
到達目標
- 教育・学修支援の専門性に必要な能力項目に関わる基本的な知識を身につけており、その知識を他者に説明することができる。
修了要件
- 対面授業8時間を受講し、グループワークに参加するとともに、コース修了時に実施予定の成果報告会で発表を行うこと
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 |
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竹内、白川、山本、檜垣、前田、石井、織田、 岡田、國本、藤本、姉川、池田、常川、我妻 |
対面授業
【2018年度夏期】2018年9月12日(水) 【2018年度春期】2019年3月5日(火) |
「教育・学修支援マネジメント(2)」では、1年目の「教育・学修支援マネジメント(1)」にて設定した教育・学修支援に関連する特定のテーマについて、グループワークを通じて深めていき、その課題の発展的あり方を探索することをその内容としております。前年度のグループワークを通じて設定したテーマについて、異なるバックグランドをもった履修生同士が協力し、分担して取り組んでいます。アカデミック・リンク・センターの関係教職員がアドバイザーとして各グループに関わっています。
2018年度夏期の対面授業では、「学修成果」「大学のカリキュラム」「発達障害」「アンケート調査の設計と分析」「アクティブ・ラーニング」といったテーマに関して、各グループにて、それぞれの課題の確認や共有、次回までの課題設定や成果報告会へ向けてのまとめ方の確認などが行われました。
2018年度春期の対面授業では、6つのグループ(「学修成果(1)」「学修成果(2)」「大学のカリキュラム」「発達障害・身体障害・精神疾患/学生相談・カウンセリング」「アンケート調査の設計・分析」「アクティブ・ラーニング」)による「成果報告会」を実施しました。各グループは約2年間にわたる各テーマの調査成果について約15分のプレゼンテーションを行い、その後、約5分間の質疑応答が行われました。今年度の成果報告会には、報告を行う2017年度生に加えて、2018年度生も参加し、活発な議論が展開されました。
授業風景
14)プロジェクト研究
目的
本コースでは、教育・学修支援を推進するために生じる諸問題について、個人的なテーマを設定し、クリティカルに追求し、具体的課題解決を検討、企画・実践する能力を身につけることを目的とする。
到達目標
- これまでに身につけた教育・学修支援に関わる知識・スキルを実践の場の問題解決に応用することができる。
修了要件
- 対面授業8時間を受講し、適宜、指導担当者の研究指導を受けること。また、コース修了時に実施予定の成果報告会で発表を行うこと
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 |
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竹内、白川、山本、檜垣、前田、石井、織田、 岡田、國本、藤本、姉川、池田、常川、御手洗 |
対面授業
【2017年度夏期】2017年9月13日(水) 【2017年度春期】成果報告会 2018年3月5日(月)、個別指導 2018年3月6日(火) |
「プロジェクト研究」は、個々の履修生が自ら設定する「教育・学修支援」に関する具体的なテーマ・課題(職務や実務のなかで自分自身が関心を持っているテーマ・課題など)について、具体的な改善や実践を視野に入れながら、その課題の理解と解決に2年間を通じて、計画的に取り組んでいくものです。課題を分析し、さまざまな大学の取り組み事例を調査することなどを通じて課題解決の方法を探究するとともに、履修生の置かれた状況や各大学の状況のなかで、どのように改善・解決することができるのか、その改善提案を具体的に考えていきます。同じテーマ・課題であっても、組織の状況や環境によって、改善・解決の選択肢が変わることを前提にする実践的なプロジェクト型のコースです。個々人に対して、アカデミック・リンク・センターの関係教員が、アドバイザーを務めます。
2017年度夏期の対面授業では、初回として、個々人が設定した課題とその探究の計画や方法について、アドバイザーとの議論を行いました。プロジェクト研究は、春期の対面授業に続きます。
2017年度春期の成果報告会では、履修生はこれまで取り組んできたテーマについて15分のプレゼンテーションと5分間の質疑応答を行いました。テーマの設定からそのテーマの背景、調査の方法・調査結果について、一連の研究活動を通して、現場をより深く理解することができたことに加えて、活発な質疑応答は、報告者のみならず報告を聞いた履修生にとっても刺激となり、大きな学びとなりました。
成果報告会後は、アドバイザーとともに来年度の「プロジェクト実習」に向けた、話し合いが行われました。
授業風景
15)プロジェクト実習
目的
本コースでは、実際の教育・学修支援に関わる現場を経験することで、自分の業務や理想的実践について振り返る機会を提供することを目的とする。
到達目標
- これまでに身につけた教育・学修支援に関わる知識・スキルを実践の場の問題解決に応用することができる。
修了要件
- 実習を行うこと。また、コース修了時に実施予定の成果報告会で発表を行うこと
概要
コーディネータ ※敬称略。所属・肩書はコース実施時のもの |
日程 |
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竹内、白川、山本、檜垣、前田、石井、織田、 岡田、國本、藤本、姉川、池田、常川、我妻 |
対面授業
【2018年度夏期】2018年9月12日(水) 【2018年度春期】2019年3月5日(火) |
「プロジェクト実習」は、個々の履修生が自ら設定する「教育・学修支援」に関する具体的なテーマ・課題(職務や実務のなかで自分自身が関心を持っているテーマ・課題など)について、1年目の「プロジェクト研究」を発展させ、その課題の具体的な改善や解決、実践に取り組んでいくものです。
同じテーマ・課題であっても、組織の状況や環境によって、改善・解決の選択肢が変わることを前提にする実践的なプロジェクト型のコースです。個々人に対して、アカデミック・リンク・センターの関係教員が、アドバイザーを務めます。
2018年度夏期の対面授業では、各自の実践や取組みの確認、「プロジェクト実習」を進める中での課題の確認や対応の検討、春期の成果報告会での報告に向けた内容についての検討をアドバイザーとともに行いました。
2018年度春期の成果報告会では、履修生はこれまで取り組んできたテーマについて15分のプレゼンテーションと5分間の質疑応答を行いました。今年度の成果報告会には、報告を行う2017年度生に加えて、2018年度生も参加し、報告者が所属機関等で行ってきた実践の成果に関する発表や活発な議論が行われました。成果報告会は、報告者のみならず報告会に参加した履修生にとっても刺激となり、大きな学びとなりました。