民間団体等の奨学金制度を利用する

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電球アイコンこのページでわかること

  1. 民間団体等の奨学金制度とは
  2. 奨学金の探し方や選び方のポイント
  3. 申請に向けての事前準備や採択後の義務について

はじめに

何かとお金のかかる大学生活…
「研究室配属後のアルバイト事情が心配..」
「金銭面を考えると将来が不安..。大学院進学に前向きになれない。」etc. 大学院への進学に際して金銭的な不安のある学部生、現にそんな不安を抱えている大学院生は少なくないと思います。

そこで、今回紹介するのが民間団体等の奨学金制度です。
奨学金と聞くと日本学生支援機構の貸与型奨学金をイメージされる方が多いかと思いますが、多種多様な民間団体等の奨学金制度を利用することで、授業や研究活動に集中できる環境を得ることができます。

ここでは、制度の概要から申請方法など、民間団体等の奨学金制度を利用するにあたってのポイントを説明します。

目次

民間団体等奨学金に関する情報を得る

千葉大学の学生が民間団体等の奨学金に関する情報を得る方法として、最も有用なのは千葉大学の公式Webサイトです。「奨学金制度」のページに民間団体等の奨学金制度についての情報が掲載されています。

奨学金一覧は随時更新されるため、こまめにチェックして最新の情報を得ることが重要です。

その他、WEBサイトやSNSで民間団体等奨学金制度に関する情報を発信しているものもありますが、情報の真偽や個人情報の取り扱いに十分気をつけて利用しましょう。

奨学金の種類

民間団体等の奨学金制度

奨学金制度には、日本学生支援機構奨学金の他、地方公共団体や民間育英団体が実施している奨学金制度があります。

そして、母体となる団体には都道府県・市町村、民間法人(民間企業が行う奨学支援のため、会社名が入っていることが多い)、NPO法人などがあります。

貸与型/給付型

奨学金は、返済の要否によって大きく2つの種類に分けられます。

日本学生支援機構が実施する大学院生向けの奨学金制度は2024年1月時点で貸与型奨学金のみですが、民間団体等の奨学金制度には給付型奨学金が数多くあります。

しかし、給付型奨学金の場合には、返済の必要がないかわりに、申請条件が厳しく設けられていることや、競争率が高いことに注意が必要です。

奨学金の選び方

千葉大学の公式Webサイトにある民間団体等奨学金一覧を見ると、沢山の種類の奨学金制度があることがわかると思います。

この中から、自分が応募できる奨学金を選ぶ際のポイントを説明します。

応募資格

応募資格には、対象学年・専攻内容、成績条件、家計の収入状況、出身地などがあります。

貸与型・給付型

給付型は返済の必要がありませんが、貸与型は返済の義務が課され、また申請にあたって保証人を立てるケースが多いです。

金額

団体にも依りますが、月々1~5万円程度が中心です。

併用の可否

既に他団体の奨学金制度を利用している場合や、複数の団体の奨学金に応募する場合、併用の可否(同時に他の奨学金も利用してよいかどうか)の確認は非常に重要になってきます。

応募した奨学金に必ず採用されるとは限らないので、併用の可否を予め確認し、複数の奨学金制度の利用を検討することがポイントです。

締切

応募締切が集中するのは新年度が始まる4・5月です。前年度2・3月頃から情報が掲載されることが多いため、奨学金制度のページをこまめにチェックしましょう。
また、申請書類の準備にはある程度の手間がかかるため、締切には余裕を持って準備することが望ましいです。

大学経由・直接応募

奨学金の募集方法には、大学に推薦依頼があるものと、民間団体等が直接募集するものとがあります。

前者の場合は、応募者全員が選考に進める訳ではなく、民間団体等から指定された人数を応募者の中から大学が選考のうえ、推薦することになります。また、学内選考期間を考慮するため、学内応募締切も団体の公式Webサイトなどに記載されているものより早めのことが多く、注意が必要です。

選考内容

(学内選考)→書類選考→(面接)→採用

一般的にはこのような流れで選考が進みます。
※学内選考や面接は実施されない場合もあります。

4・5月募集の場合、採用・不採用が分かるのは7・8月頃になる場合もあります。選考には時間がかかるので、合否がわかるまでの間は金銭的な見通しを考えて過ごしましょう。

申請に必要な書類について

願書

住所や経歴などの基本情報、経済状況、応募理由などを記入します。

推薦書

推薦所見と指導教員のサインが必要です。

誰にお願いする?

推薦書作成の依頼は余裕を持って行いましょう。

内容

推薦書を記入していただくにあたり、大学で取り組んでいること(ゼミや研究)に関するこれまでの成果や今後の目標、奨学金応募の理由、使い道などのプロフィールを共有するなどして、自身が作成した願書と内容に齟齬がうまれないようにすることがおすすめです。

書式

団体指定の書式がある場合もあります。

民間団体等奨学金一覧(p.1)にもテンプレートが掲載されています。

成績・在学証明書

証明書の発行については、証明書についてのページに掲載されています。

家計支持者・本人の収入に関する書類

源泉徴収票、課税証明書などがあります。保護者の方等にも用意していただくことが多いため、余裕を持って準備しましょう。

研究計画書(ゼミや研究室で取り組んでいる内容について)

自身が行う研究などについての詳細をまとめた書類を、A4用紙で5枚程度用意する必要があるため作成に時間がかかります。しかし、一度作成しておけば他の団体に応募するときに活用することが可能です。

研究計画書の構成の例

  1. はじめに(この研究室・研究テーマを選択したきっかけ)
  2. 研究背景および研究概要
  3. 研究内容(研究の独自性・目的)
  4. これまでの研究実績(これまでに得られた研究成果・学会発表実績)
  5. 今後の研究計画
  6. 参考文献

課題

課題例には「10年後の自分について」、「私が叶えたい夢について」の作文などが挙げられます。

奨学生の義務

採用されて終わりではなく奨学生には義務があります。以下にその例を紹介します。

その他経済支援制度

今回紹介した民間団体等の奨学金制度の他に有用な経済支援制度について簡単に紹介します。

入学料・授業料免除制度

やむを得ない事情により入学料・授業料の納入が難しい場合、免除制度を利用することができます。

注意点(千葉大学の学部生の場合):原則、日本学生支援機構の給付奨学金と入学料・授業料免除が連動しているため、免除を希望する場合は給付奨学金の申請を行う必要があります。詳しい情報は入学料・授業料免除制度のページに掲載されています。

日本学生支援機構貸与型奨学金返還免除制度(大学院生向け)

大学院で第一種奨学金の貸与を受けた学生であり、貸与期間中に特に優れた業績を挙げた者として日本学生支援機構が認定した人を対象に、その奨学金の全額または半額を返還免除する制度です。

千葉大学の場合、大学院第一種奨学生の特に優れた業績による返還免除のページに関連する情報が掲載されています。


この記事は千葉大学の大学院生(分野別学習相談担当:ALSA-LS)が執筆し、アカデミック・リンク・センター等千葉大学の教職員が監修しました。

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