目的に合った本や論文を選ぶ
はじめに
皆さんは論文を書くために参照する文献をどのように探し、入手していますか。漠然と探しているだけでも、ある程度は必要な文献を見つけることができるかもしれませんが、文献を選ぶコツを知っていれば、必要な文献を、もっと効率よく入手することができるようになるはずです。
「文献を選ぶ」
文献を選ぶ手順の一例として、下記のようなものが考えられます。
テーマを決める
テーマを決める際に、自分の頭の中でじっと考えているだけでは、なかなか考えはまとまらないものです。まずは積極的に情報を集めてみましょう。例えば、入門書を読む(新書がおすすめ)、新聞を読む、インターネットを検索するなどしてみてください。自分が持っている関心や、掘り下げてみたい対象などが、ぼんやりとでも分かってくるはずです。
キーワードを拾う
テーマが決まったら、カギとなる「概念」「現象」「研究者(著者)」などをチェックしましょう。テーマを決めるために情報集めを行う段階から、この点を意識しながら作業を行うと、より効率的にキーワードを拾うことができるはずです。
キーワードを基に文献を検索する
キーワードをチェックしたら、そのキーワードを基にして、文献検索を行います。文献の検索方法については、こちらで説明しています。
検索した文献の「参考文献・引用文献リスト」を利用してさらに探す
「自分がやりたいことに似ている!」と思う文献を見つけたら、その文献の末尾をチェックしてみましょう。文献の末尾には、その文献で参照された文献をリスト化した「参考文献リスト」や「引用文献リスト」がついています。このリストには、皆さんの興味関心に通じる文献が載っているはずですので、興味のある文献から読んでみましょう。さらに、その文献の文献リストを参考にすれば、芋づる式にどんどん文献が見つかっていくはずです。興味がある文献を見つけたら、その文献の文献リストにも目を通すようにしましょう。
コラム:「図書選びのポイント」
「それでもどんな図書を選べばいいのか分からない!」という場合は、以下のポイントを図書選びの手がかりにしてみてください。
著者をよく見よう
- 基本的にその分野の専門家・研究者の著書を選ぶ
- 最新技術や現場の最新動向を知るためには、フリージャーナリストや最先端企業の経営者、その分野の評論家等の著書を選んでもOK
- 肩書きがよく分からない場合は、学歴や経歴を確認してみる
著者の他の著書を見てみよう
- どんな著書を書いている人なのかを知ることで、どんなテーマに精通している人なのかを知ることができる
出版社を見よう
- 学術図書が得意、最新動向を扱うのが得意、報道的なテーマが得意など、出版社ごとの特長も参考になる
まず内容詳細や見出しを読もう
- 出版社が付けている内容詳細や見出しを読むと、どのような内容なのかが簡単に分かることが多い
出版年が新しいものを選ぼう(ただし、分野による)
- 分野によっては、なるべく新しく出版されたものを選ぶべき場合もある(情報技術・情報メディア、社会現象・世論など)