Rubric for Educational and Learning Support Professionals
能力ルーブリック

 ALPSプログラムでは、「教育・学修支援の専門性に必要な能力項目・能力ルーブリック」に基づいて、教育・学修支援の専門性を養成するための研修プログラムを構築しています。アカデミック・リンク・センターでの平成27年度の事業として、「教育・学修支援の専門性に必要な能力項目・能力ルーブリック(第1版)」を開発しました。これは、大学における教育・学修支援の専門性の向上を実現するためにその能力指標を、段階を踏まえて体系化・可視化することを目指したものです。これまでOJTを中心に職務能力が形成されてきた学務・教務担当の大学職員の役割を「教育・学修支援専門職」として高度化するとともに、学務・教務担当とは区分されがちな図書館職員が教育・学修支援専門職として複合的な専門性を持ち、学生の学修支援にもその能力を発揮することを目的としています。教員の教育能力向上にも役立つかもしれません。第1版について、詳しくは こちらをご覧ください。

 2022年度には、ポストコロナの新しい教育の状況を反映させるべく、この能力項目・ルーブリックの見直しを行い、「教育・学修支援の専門性に必要な能力項目」(2023年)、「教育・学修支援の専門性に必要な能力ルーブリック」(2023年)を作成しました。これらは、2021年から2022年までにアカデミック・リンク・センターが実施した255件の文献調査、11大学21名の現職大学職員を対象とするインタビュー調査、1,335名の現職大学職員へのアンケート調査をもとに作成しました。また、海外の先進事例として、米国の学修支援に関する専門職団体であるACPA College Student EducatorsInternational と NASPA:Student Affairs Administrators in Higher Education による学修支援専門職のコンピテンシー基準である"Professional Competency Areas for Student Affairs Educators"(2015年8月)を参照することで、国際的に通用する水準の確保に努めています。さらに、各目的に含まれる内容は25の項目と190の行動特性で示しています。

教育・学修支援の専門性に必要な能力項目(2023年)

 教育・学修支援の専門性を向上させていくためには、目指すべき具体的な能力指標が必要です。アカデミック・リンク・センターでは、「教育・学修支援の専門性に必要な能力項目」を開発しました。2023年版は、「大学について理解を深める」「学生・学修・教育支援の理解を深める」「担当業務を深める」「学生と関わる」「業務において連携・協働する」「教育・学修支援の新たな方向性を構想する」の6項目と「基盤的スキル(説明できる力、文章作成能力、物事を広くみる力、メタ的な能力(社会人としてのコンピテンシー)、クリティカルシンキング、語学)」から構成されます。ALPSプログラムでは、「教育・学修支援の専門性に必要な能力項目」を育成していくことを目的の一つとしており、プログラムに参加することを通じて6つの能力項目についての知識、手法、応用力を身につけるとともに、教育・学修支援の実践との往還によって、教育・学修支援の専門性を高めていきます。

能力項目(2023年)

教育・学修支援の専門性に必要な能力項目(2023年)

教育・学修支援の専門性に必要な能力ルーブリック(2023年)

 「教育・学修支援の専門性に必要な能力項目」(2023年)について、その能力の内容を具体的に記述したものが「教育・学修支援の専門性に必要な能力ルーブリック」(2023年)です。6つの領域について、「C:知識として身に付けている」から、「B:身に付けた知識を説明できる」「A:知識やスキルを実践の場の問題解決に応用できる」「S:知識やスキルを発展させ、指導することができる」として4段階に体系的・段階的に示しました。

能力ルーブリック(2023年)

教育・学修支援の専門性に必要な能力ルーブリック行動特性まとめ

 「教育・学修支援の専門性に必要な能力項目」は抽象的な能力項目で示されており、具体的な行動としてはイメージしにくいかもしれません。そこで、各目的・項目の内容が含む要素として「行動特性」を示し、「行動特性まとめ」として一覧にしました。

2023年版はこちら 行動特性まとめ(2023年) 
教育・学修支援の専門性に必要な能力ルーブリック(第1版)に対応する行動特性はこちら 行動特性まとめ(第1版)