変化咲き、斑入り、矮性。奇品植物が織りなす江戸園芸熱の高まり。今に伝える書をここに集めました。
花壇朝顔通 下(壷天堂主人)
変化朝顔の最初の流行は文化5、6年ころの江戸で始まり京・大坂に広がる。本書はその流行を受けて大坂で初めて刊行された朝顔書である。葉・花色・模様などにより180余品を分類し多色刷りの花の図に和歌または俳句を添える。鉢植えや水盤、花瓶に挿した朝顔の図も収められ当時の朝顔の鑑賞法を知ることができる。
花壇朝顔通 上(壷天堂主人)
変化朝顔の最初の流行は文化5、6年ころの江戸で始まり京・大坂に広がる。本書はその流行を受けて大坂で初めて刊行された朝顔書である。葉・花色・模様などにより180余品を分類し多色刷りの花の図に和歌または俳句を添える。鉢植えや水盤、花瓶に挿した朝顔の図も収められ当時の朝顔の鑑賞法を知ることができる。
丁丑朝顔譜(秋水茶寮痩菊)
文化14年に催された朝顔花合わせの出品作を中心とした48種の変化朝顔の図譜。単彩の図に銘、特徴、作者名をしるす。序は大田南畝、編者の秋水茶寮は浅草居住の医者与住秋水であり、この時期の朝顔図譜の刊行における文人の関与を窺わせる。
草木奇品家雅見 地(青山種樹家 金太)
当時流行した斑入・葉替・矮性・帯化など「奇品」の写生図を90名の培養家の略歴とともに紹介している。木本から草本まで、様々な種類の変異が収められており、当時の奇品熱の高まりを窺わせる。繁亭金太は青山の植木屋、草木錦葉集の編者水野忠暁が跋文を記す。
江戸期以来の我が国の園芸の発展・変遷をたどる上で重要な園芸書のコレクション。江戸時代に変種栽培が流行した朝顔をはじめ、花菖蒲・楓などの様々な品種を描いた美しい彩色図譜を収蔵する。花菖蒲を改良し約300種を作出した松平定朝の自筆本「花菖培養録草稿」などの貴重書を含む。
日本の園芸文化史を研究していた岩佐亮二千葉大学名誉教授(IWASA Ryoji,1915-2003)の収集資料を核とする。